Editor’s note:「変わりゆく授業風景」:HH News & Reports:ハミングヘッズ

Editor’s note 取材や日常生活で記者が感じたことをお伝えします

2013/4/18
「変わりゆく授業風景」

「変わりゆく授業風景」


 学校のICT活用とデジタル教科書の普及について迫った今回の特集、いかがでしたでしょうか? 荒川区のように自治体が小・中学校に1人1台のタブレット配布を決定するというのは、非常に先進的な決断に感じられました。私が小学生のときには考えられなかったものです。

 特集記事でも触れたように、この決定の背景にあったのが、総務省と文部科学省が取り組んできた実証研究「フューチャースクール推進事業」と「学びのイノベーション事業」。ソフト・ハードの両面から教育効果を検証していく取り組みが、今回の荒川区のような自治体の決断を促したのだと、取材で実感しました。

 セキュリティについても、学校が所属する自治体のセキュリティポリシーにもとづいて、ウイルス対策ソフトの導入や、フィルタリングの実施など、できる限り注意を払っているという印象です。

 一方、教科書会社が進めるデジタル教科書の取り組みも勉強になりました。当初は1グループに1台という形でタブレットを想定するなど、対応に試行錯誤してきたようです。調整は今も続き、例えば、実証研究で対応しているOSはWindowsかiOSが主流で、アンドロイドの対応はまだこれからとのこと。OSのバージョンアップへの対応も決して簡単ではないようです。

 このように実証研究を行ってきて迎えた2013年。“アベノミクス”の影響で景気がよくなる兆しがみえる好条件のなか、端末の導入に名乗りを上げる自治体が増えているというのが中村伊知哉氏の話でした。ただ、こうした動きが急速に進むとなると、自治体間・学校間でタブレットやデジタル教科書を「使用できる」「使用できない」という格差を生む懸念もあるとのことです。かつてインターネットが普及するときに「デジタルデバイド」が心配されましたが、これからは「教育情報化デバイド」を防ぐことを視野に入れる必要があります。

 社会におけるタブレットの浸透で、進展に拍車がかかりそうな学校のIT活用とデジタル教科書普及。学校の授業風景も変わってくるかもしれません。

(山下雄太郎)