Editor’s note 取材や日常生活で記者が感じたことをお伝えします

2012/9/18
「バックアップを忘れずに」

「バックアップを忘れずに」


 今回の特集「100年残せるバックアップは可能か?」はいかがだったでしょうか。HDDが開発された当初、冷蔵庫サイズで5MBだったとはいえ、驚くほど画期的だったはず。しかし今ではMBの100万倍であるTBは当たり前で、TBの1000倍であるPB(ペタバイト)という単位も聞くようになりました。PBの1000倍であるZB(ゼタバイト)やその1000倍のEB(エクサバイト)ですら「市場の将来予測」といった数字ではすでに見かけます。身の周りにある記録媒体をみても私たちは本当に大量のデジタルデータを保存するようになり、それにつれて記録媒体の容量も飛躍的に増えています。

 今回の取材で起点となったのは、クラウドで預かっていたデジタルデータの紛失事件。東京大学大学院情報学環の馬場章教授は、「デジタルデータや、それを保存するストレージが絶対ではない」と、デジタルデータへの過信に気をつけるべきだと警鐘を鳴らしていました。ストレージなどの記録媒体はいつか寿命がくるものです。ただ、紙資料より、デジタルデータが重宝されるこのご時世。記録媒体に保存している以上、そうした「過信」も少なからず出てきてしまうのでは、と考えてしまいました。

 だからこそ、バックアップは必須なのだと思います。記録媒体の限界や寿命もあるなかで、国立国会図書館の中山正樹氏が語っているように「クラウド型分散ストレージサービス」は注目の技術。バックアップを分散させ、二重三重にすることが重要となってくるのです。

 どんなに記録媒体の容量が増えても、バックアップの重要性は変わらない…。その大切さに改めて気付かされた2012年の夏でした。

(山下雄太郎)