Editor’s note 取材や日常生活で記者が感じたことをお伝えします

2012/4/2
「ITのチカラ」

「ITのチカラ」


 早いもので、東日本大震災が発生してからちょうど1年が経過しました。3月の特集「東日本大震災 ITは命をつなげられたか?」では医療とITについて取り上げ、東北に構築される最新の地域医療ネットワークを追いかけました。

 今回の取材で一番印象に残ったのは、福島県立医科大学附属病院医師の長谷川有史先生の「ITインフラが断絶して、患者さんの治療に影響があった」というお話。ネットワークの被害により、病院(沿岸部)に通う患者さんのカルテの情報が伝わらないため、適切な治療ができなかったということでした。何気なく利用している“IT”が突如として使えなくなる「困難さ」は、想像を絶するものだったと思います。

 しかし、後に長谷川先生はWEB会議システムをつかって各医療拠点と会議をすることができ、他でもない“IT”が孤立から救ってくれたとも話しています。「大丈夫、見守っているから。何かあったらヘリで行く」と同僚からもずいぶん励まされたとのこと。「『ITは被災地を見守ってくれる』ことが今回の震災で感じたこと」と、その重みを実感されたそうです。

 また、今回取材に応じてくださった東京医科歯科大学の田中博先生も日本版EHRを推進している第一人者です。3年前に、日本版EHRについて取材させていただいた我々を覚えていてくださり、東北で行っている取り組みを丁寧に語っていただきました。田中先生は東北に頻繁に足を運ぶなど、精力的に動き回っています。自分の足で見、そして感じたことを話すその姿勢から、地域医療ネットワークを構築することで、是が非でも復興につなげたいという思いがひしひしと伝わりました。

 今回の取材で再認識することができた「ITのチカラ」。日頃から接しているPCやモバイルが非常時には自分を守ってくれる存在となります。そのときに備えてこれからはより大切に、よりしっかりと使いこなしていこうと思っています。

(山下雄太郎)