寄稿
国際標準に挑む日本発電子認証
伊賀洋一 ISOTC247国内審議委員会委員長
2012/7/23  1/2ページ

【第3回】日本発電子認証・標準規格の方向性

伊賀洋一氏 伊賀洋一氏
ISOTC247国内審議委員会、SEMITRC委員会委員長。1952 年生まれ。NECを経て、ルネサスエレクトロニクス品質保証統括部 企業統合 シニアエキスパート。SEMIトレ-サビリティ委員会委員長、JEITA半導体部会信頼性小委員会サブコミッティ認定WG主査を歴任。現在、日本情報経済社会推進協会(財)JIPDEC主席研究員を兼ねる。

日本の半導体業界が推し進める製品IDを用いた国際標準化。しかしヨーロッパや米国・オバマ政権からも国際標準化の流れが――。深刻化する部品模造品の現状に迫りつつ、日本はどのような対策をしていく必要があるのか、ISOTC247国内審議委員会委員長の伊賀洋一氏に解説していただいた。最終回となる第3回は日本発電子認証・標準規格の方向性についてです。

米国の主張する国際標準規格

 前回は電子認証の必要性と国際標準化の動きについて詳しく述べた。最終回となる今回は日本発電子認証そして標準規格の方向性について話を進めたい。


 米国が主張する規格化の作業が完了すれば、人命にかかわるような幅広い製品分野にもISO規格への準拠が求められると考えられることはすでに前稿で述べた。エレクトロニクス分野では今後の成長が期待されるスマートグリッドや電気自動車の分野が対象になると、メーカーにとってはISO規格の認証を取得できなければ、市場への参入すらできなくなってしまう。


 こうした米国の戦略は半導体メーカー・Intelの戦略に大きく影響を受けている。同社はコアの技術をブラックボックス化し、それ以外の周辺技術を標準化で固めることにより大きな利益を上げてきた。米国はこうした方式を全産業に拡大し、国際標準化することで次世代セキュリティ市場をリードしたいという思惑だ。


RPAツール・AIHH

TC247に向けた日本の戦略

 こうした米国の思惑を背景として、ISO化を議論する標準化委員会「TC247」はスマートグリッドや電気自動車などの次世代セキュリティ市場で重要な規格を決めている。多くの海外企業がこれらの分野で日本市場を狙っているわけだが、これまで日本は「TC247」の議論に対し積極的に参加してこなかった。米国がISO案への参加を日本に呼びかけた際、、強制規格になりえることを嫌い、反対票を投じたからだ。


 しかしながらTC247の活動ができる賛成票を投じた国々が目立つことから、最近になって、日本は自国の国益を損なう場合があることを考慮。半導体工業会が中心になって、TC 247の議論に参加するために経済産業省承認のもと、国内審議委員会及び実ビジネスへと展開させるためのコンソーシアム(JCANビジネスインキュベーションビジネス検討部会)を発足させている。

>>TC247をめぐる各国の思惑とは


RPAツール・AIHH

【関連カテゴリ】

情報セキュリティ