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2014/12/22  2/2ページ

電磁波の危険性と見解あれこれ(2)

 無線から携帯電話、赤外線、可視光線、X線に至るまでこれは全て電磁波になる。物理的な説明は割愛するが、周波数によってその性質は大きく変化する。短い周波数ほど、光を構成する粒子が途中の物体にぶつかる回数が増えるためエネルギーが増える。周波数の低いものが電波、高いものが光と呼ばれる。電波の内でも比較的、周波数が高いものがマイクロ波と呼ばれている。とはいえ、マイクロ波の周波数は光でも周波数のもっとも低い赤外線よりも低い。

電磁波のスペクトル
放射線もマイクロ波も電磁波の一種と言えばそうだが…

 そのため、ネットなどで見かける「マイクロ波は放射線の仲間で危険」という論調は、若干暴論と言える。というのは大きなくくりでは確かに放射線(X線など紫外線よりもさらに周波数が高い電磁波)とマイクロ波の違いは周波数の高低でしか違いがない。しかしマイクロ波も同じくくりにしてしまうと、その間にある可視光線や赤外線まで放射線の一種になってしまう。さすがにそれにうなずく人はいまい。


 単純にエネルギーで計算してみよう。発がん性リスクにグループ2A分類(Probably Carcinogenic to humans)されている紫外線は周波数が750Thz~30,000Thz程度。無線LANが1.7Ghz(=0.0017Thz)帯域を利用しているため、紫外線の約1/500,000程度のエネルギーと考えられる。単純なエネルギーから見た危険性は紫外線の500,000分の1ということになる。


 もちろん電磁波を浴びる時間が、紫外線とスマートフォンでは違うし、電磁波を出ている対象物からも比較的近い。電磁波の強さは距離の2乗に比例して弱くなる。しかし、スマートフォンは直接頭にくっつけるため非常に近い。その周波数が電子レンジ(2.4Ghz)と、ほとんど変わらないと言われると、確かに何とも言えない不安を感じる。


 電子レンジは、白内障などの被害があったため、ドアに工夫を凝らすことで、中で使われている電磁波が漏れないように調整はしてあるが、スマートフォンはむき出しだ。見えないこと故、不安に駆られはする。しかし、例えば温熱治療器も同じ周波数のマイクロ波が使われている。


 マイクロ波よりも、10倍近くエネルギーが高い部類に属する「赤外線」や「遠赤外線」と聞くとなんだか健康に良さそうに聞こえるし、そもそもこうした治療器による発がんというのも聞いたことがない。自分できっちり「マイクロ波とは何か」から丁寧に調べると余計な不安をあおられないで済む。

 

リスクと対策


 リスクがあると警告された電磁波だがその後、対策はされているのだろうか? 各電波を使用している団体ごとに見解は出されているが、だいたいが「発がん性が提示されたことは認識しているが、問題ない程度に使用している」という結論に落ち着いている。現状これ以上正確な情報は出てこないだろう。


 もちろん今後も電磁波と発がん性の関係については、世界中で使われているインフラであるから研究が進められていくことだろう。それ次第ではマイクロ波の周波数に限った危険というものが出てくるのかもしれない。


 そこまで待つのが不安という方は、まずは電磁波を出すものから距離を置くというのはいかがだろうか? 距離を置くと言うのは比喩的な話ではなく、実際の物理的な話だ。前述だが、電磁波の強さは距離の2乗に比例して弱くなる。10倍離せば、100倍弱くなるので、スマートフォンについてはイヤホンなどを使えば安心だろう。


 またスマートフォンを夜には機内モードにすれば通信をしなくなるため、電磁波も出さない。電波状態が悪いところに置くと、基地局を探すために強い電波を出すから、電波状態が悪いところへ行くなら対策が必要だろう。IHなども底の厚い鍋を使ったり、距離をおいて料理するようにすれば、影響をかなり防げるだろう。


 とはいえ、電磁波は電気あるところにすべからく発生する。本当に気になるならば、最終的には電気のない生活に帰るしかない。結局はリスクと電気を使うという利便性の兼ね合いになるのだ。情報が氾濫する現代、不要に情報の海に巻き込まれず、冷静に判断することも肝要だ。

(井上宇紀)

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