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2014/10/30  1/2ページ

学校のタブレットPC普及 荒川区の取り組み(1)

「全小学校・中学校にタブレットPCの導入を」――昨年発表され画期的な取り組みとして大きな注目を集めた、荒川区のタブレットPC導入。昨年の取材後の動きについて、導入を進める区の担当者に話を伺った。

導入を進める荒川区


 荒川区では現在、区内の全小学校・中学校においてタブレットPC(以下タブレット)の本格的な運用を進めている。モデル校(第三峡田小学校、尾久小学校、第二日暮里小学校、諏訪台中学校)での検証を経て、全校での環境の構築が完了。最終の検証が終わり、2014年9月から全校での運用が始まった段階だ。区内の中学校ではタブレットPCは1人に1台。小学生に関しては高学年(3年生~6年生)には2人で1台、低学年(1年生~2年生)に関しては4人で1台共有。高学年では2時間の授業のうち1時間、低学年については1日に1回、タブレットPCに触ることができるという計算だ。

タブレットPCを利用した授業風景
(提供:荒川区教育委員会)
タブレットPCを利用した授業風景 (提供:荒川区教育委員会)

 荒川区では文部科学省によるスクールニューディール構想によって2010年度には電子黒板が全普通教室に入り、教員向けのデジタル教科書のネットワーク配信を2012年度にスタートしている。電子黒板に使い慣れている状況のなかでタブレットが導入されており、まさに「段階を踏むように」教育現場のICT化が行われているような状況だ。


 導入に向けては専門の「ICT支援員」が1年間だけ常駐。操作方法や授業の展開がわからない場合、教員がすぐに聞けるようにした。このICT支援員には政府が進めてきたフューチャースクール事業および学びのイノベーション事業の経験者を招へいしたため、よりスムーズな指導が行われていたとのことだ。


 端末自体の進化も導入・現場の利用を後押ししている。荒川区教育委員会指導室 統括指導主事の駒崎彰一氏は「フューチャースクールの頃からテクノロジーが進化しているので、端末も使いやすくなっている」としている。


スムーズにタブレットPCを使う子どもたち


 実際、タブレットが導入された授業では、子どもたちが使いこなす様子を実感できるという。子供たちは発表などで積極的にタブレットPCを活用し、授業に生かしている。理科の実験でも、観察した情報を端末に蓄積しての考察に活かすという試み。この場合、タブレットPCでは、写真だけではなく文字も書き込めるのも重宝される。また体育の授業でもタブレットPCのカメラ機能を用い、例えば「ダンス」での自分の動きを確認したり、タイミングを合わせたりするシーンなどの課題が一目瞭然でわかるという。

ダンスの授業でもタブレットPCを活用
(提供:荒川区教育委員会)
ダンスの授業でもタブレットPCを活用 (提供:荒川区教育委員会)

 この体育での動画利用に関しては、筑波大学とベンチャー企業・ペンギンシステムとの協力も行われている。開発されたアプリ「見ん者」を利用することで、模範となる動画と生徒の動画を重ねて再生でき、どこを修正すればすぐにわかるようになっている。


 駒崎氏と同じく荒川区教育委員会でタブレットPC導入に関わる指導主事・菅原千保子氏は「今の子どもたちは、デジタルネイティブということもあり、教員が教えていない機能を使いこなす様子も見られる」と説明する。また、タブレットPCを授業に使うことで、教員同士のコミュニケーションも増え、ICT支援員とのやりとりも積極的に行われている。


タブレットPC導入のねらい


 タブレットPCを導入することの、学校側のねらいはどんなところにあるのだろうか。これにはまず「わかりやすい授業」の実現と「情報活用能力」を小学校1年生から着実に育てていこうという方針がある。


 またグローバル社会に対応するための、「グローバル人材」の育成が背景にある。こうした人材に関しては「協調型」、つまりグループで問題を解決する能力が重要視されている。自分の得意分野を活かして、課題を解決していく能力(=21世紀型スキル)を伸ばそうというものだ。


 こうした方針のなかで、荒川区ではタブレットPCについて、人材を育成するための「ツール」と位置づけている。タブレットPCを使うことで、グループでコミュニケ―ションを取りやすくし、幅広い思考能力を養うのに役立てようというねらいだ。

>>荒川区の今後の展開とは?


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