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2014/10/23  2/2ページ

電波の周波数帯域の分類と使われ方(2)

300Mhz~3Ghz帯域(極超短波)


 この帯域は極超短波と呼ばれ、もっとも広く知れ渡り、そして利用されている帯域だろう。そのため、様々な利用で帯域割り当ては細かく入り乱れている。スマートフォンや携帯電話、あるいは地上デジタル放送などもこの帯域に該当する。


 これらの帯域の特長としては開発が十分に進んでおり、利用に関しても活発であり、かつ情報伝達にも優れていることが挙げられる。900Mhz帯域がスマートフォンの無線通信において「プラチナバンド」などという呼ばれ方をしている通り、使い勝手が良い。


 470Mhz~710Mhzまではデジタル放送に切り替わってからのテレビ放送に利用されている。それより上の714Mhzから2000Mhz(2Ghz)付近までは移動無線通信(スマートフォンなどの端末)、携帯電話での通信が大半を占めている。また身近なところだと無線LAN用の帯域も1.7Ghz~1.8Ghz帯域での利用になっている。

関東キー局の周波数
数値は地デジ移行後。東京キー局は全てスカイツリーから電波を発している

 もっとも身近なインフラでの利用が活発な極超短波の帯域だが、波長が短いとアンテナも小さくて済むという特徴がある。最近のスマートフォンは、かつての携帯電話のように長いアンテナを機体から伸ばさなくても通話できるようになったのはこうした電波の特徴の恩恵である。


3GHz~300GHz(マイクロ波~ミリ波)


 帯域の開発は基本的に低周波帯域から進められている。一方で10Ghzを超える高周波帯域から現在割り当てのある300GHz帯域までは一部11Ghz~12Ghz前後の帯域はBS、CS放送などに割り当てられているものの、ほとんどが宇宙航空分野の開発用に割り当てられている。


 周波数の帯域を開発するのは宇宙分野が最先端だ。また電離層を突き抜けて届くのも高周波帯域の電波。直進性が高く、情報量も多いため、特定の方向に向けた通信に向いている。一方で降雨減衰(雨によるデータの損傷)という弱点もある。BS、CS放送が雨に弱いのは、こうした理由もある。


 開発途中の高周波帯域だが、残念ながら日本の開発は世界と比べて遅れている。無線帯域は受信する施設を始め、必要になったらすぐに利用できるわけではなく前々からの開発期間が必要になる。利用できるものでも設備を非常に大きくする必要がある。いずれ現在使っている帯域が様々な用途で割り当てられていけば、必然的に高周波帯域の需要が求められてくる。


 現在総務省は、スマートフォンの利用帯域に3.5GHz(マイクロ波)域での利用も想定している。極超短波域で使われていた移動通信だが、コンテンツ量の増大、インフラの拡大、そしてコンテンツ自体の容量拡大にあわせて、今後は情報量が多い高周波帯域の利用が活発になっていくことは間違いないだろう。


 高周波帯域は情報量で低周波帯域に勝る反面、欠点も多い。そのためこれまでの帯域と比較してさらなるインフラの整備や技術革新を行うことによって、こうした弱点を補っていく必要があるだろう。

(井上宇紀)

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