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2014/9/1  1/2ページ

移動体通信の今・昔 1Gから5Gへ(1)

何気なく使っている移動体通信‐スマートフォンに使われている無線通信‐幾度にもわたる技術革新で、その便利さは日進月歩でよくなっている。直接ハードを購入するわけではなく電波は目に見えないものなので実感をしにくいが、これまで、そしてこれからにかけて大まか5世代に分類されている。その5世代の特長と歴史について今回は追ってみる。

ここから始まるアナログ回線の1G

1G回線のスペック

 もっとも最初に利用された移動体通信の規格が1Gだ。古くは車に設置された自動車電話や、ショルダーフォンなどに利用されていた。全5世代の中で1Gは唯一のアナログ回線であるが、利用していた800MHZ帯域を2G規格に渡すため、サービス自体は1999年に終了している。


 この頃はいわゆるデータ通信は存在せず、通話機能のみ。端末もかなり大きく、移動はできるが持ち運びには適さない機種が大半だった。1991年にようやくNTTがポケットに入れられるサイズの携帯電話「Mova」を開発したことで、ようやく「携帯」が可能になった。


 端末は無線機のため利用には「無線免許状」が必要になる。ところが、法などの整備が整っていなかったため、1G世代の端末は現在のように買い取りではなくNTTの貸し出し品になっていた。そのため毎月の通信料に端末のレンタル代が重なり、利用料金が非常に高額になっていた。こうした背景から1Gの端末はビジネスユースでの利用が中心で、個人の利用はほとんどなかったようだ。


モバイル用サイトの幕開け、デジタルの2G

2G回線のスペック

 1993年にサービスを開始した2G。2Gに移行した際の大きな違いはデジタル通信になり、1Gにはなかったデータ通信のサービスが開始されたことだろう。データ通信の開始に伴い、2Gになるとモバイル専用のサイトが開かれるようになり、インターネットを通じて、モバイル端末でサイトを見るということが可能になる。機種によってはPCサイトビューという機能を搭載して、疑似的にPCサイトを見ることはできたが、まだまだ制限は多かった。通信速度は後期になってもカタログスペックが28.8Kbps、現在最速のLTEの5000分の1程度だから、かなりの低速といえるだろう。


 とはいえ、モバイルでサイトを閲覧する習慣の広がりが、今の日本におけるモバイル端末によるインターネット閲覧の文化の基礎を築いたと言える。またeメールや写メもこのころから始まっている。現在、当たり前の様に利用されている「パケット通信」という概念ができたのもこの時期だ。


 パケット通信とは文字通りデータをパケット(小包)単位に分割して送付する方式のこと。災害時の安定性や、トラフィックの効率化などを目的に技術開発された。障害に強く、データの誤送信も少ない技術のため現在でも利用されている。


 データ通信の開始と同じく、2G回線のころの大きな変化といえば1994年にできた「買取制度」の開始だ。これまでレンタルだった携帯電話を個人で買い取り、免許は各キャリアがまとめて取得する、ということが可能になった。同時期にNTT以外のキャリアの登場で競争が始まったこともあり、料金が格段に下がったため、個人ユースの携帯電話が広まった。


PCと同じインターネットを。現在主力の3G

3G回線のスペック

 第3世代は現在、主力で利用されている移動体通信だ。第3世代は世代内でも速度の革新があるため、3.Xと小数点以下の数字で世代を現すことも多い。2000年台初期に登場した3.0世代のCDMA2000などに始まり、通信速度を高めたHSPA などの3.5世代、さらに現在最先端を行くプレ4世代とも言われる3.9世代まである。この世代の大きな特長として、PCと同じサイトを有線で見る場合とほんと同じように閲覧できる、ということが大きい。

>>3G回線の課題点は?


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