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2014/6/23  2/2ページ

天気予報とIT技術(2)

 COSMETSの運用については、とにかく「停止させないようにする」こと。24時間365日の監視体制が築かれている。メンテナンス時もシステムを止めずに、気象状況の良いときを見計らって行うよう配慮。また震災などの災害時に備えてアデスと同様の装置を大阪にも配置している。万が一関東地方で大災害が発生したとき、業務を継続することができるようBCPに基づいた対策をとっている。


 このCOSMETSによって収集・作成された情報は、気象庁のデータを配信する機関「気象業務支援センター」を通じ、行政機関や報道機関など契約する事業者に提供されるという仕組みだ。

気象情報の流れ(クリックすると拡大します)
気象情報の流れ(クリックすると拡大します)

 近年ではビッグデータに関する取り組みも着実に行われている。気象庁が持つ膨大なデータを一部XML化し、希望する自治体や個人などに提供するというサービスも開始。自治体の防災情報に利用されている。


ウェザーニューズの取り組み


 気象資料総合処理システム「COSMETS」から気象業務支援センターを通じて配信された情報――この情報をもとに独自の視点などを加え、契約企業やユーザに提供しているのが民間気象会社「ウェザーニューズ」。


 ウェザーニューズは、日本のみならず世界各国の気象官庁発表のデータを海外支社経由で入手し、独自の解析を行うことに特長がある。米国海軍の収集した気象データや、ヨーロッパの気象予報センターが発表した数値予報など各国の気象機関からの予測データに加え、ウェザーニューズが設置した観測機器からのデータなども含まれる。


 これらをもとに独自の情報を作成。それぞれのニーズにあった予報に加工する。さらに契約企業に対して気象に関するコンサルティングを行う「リスクコミュニケーター」が専門知識に基づいてアドバイスをするという体制だ。


天気を知るアプリと「ポールンロボ」


 また、同社は600万人ともいわれるサポーター(ユーザ)が送信する「天気リポート」を気象予測に役立てている。この情報をもとに、例えばある地域が「雨なのか雪なのか霙(みぞれ)なのか」が、サポーターから「生の情報」によって正確にわかるというものだ。


 同社はこのサポーター情報を活かし、スマートフォン向けの無料の気象情報アプリ「ウェザーニュースタッチ」を展開。地域ごとの天候がリアルタイムにわかるようになっている。その他、シニア層をターゲットにした「らくらくウェザーニュース」もリリース。これは月額250円で、ゴルフ場のピンポイント天気予報、地震・津波情報などを即座に届けるというもの。高齢者向けとあって、見やすさ・字の大きさにこだわるなど、「シンプルさ」にこだわったアプリとなっている。


 最新の技術にも注目したい。同社は花粉観測機「ポールンロボ」も開発している。直径1.5㎝ほどの球体で、人の顔のように目や鼻、口などが描かれた形をしており、口の部分から人と同じ花粉量を吸って観測ができる。花粉の量に応じて白(少ない)、から紫(多い)へ5段階で目の色が変わり、ユーザは花粉の量を一目で確認することが可能だ。

ウェザーニューズの開発した
ポールンロボ(提供:ウェザーニューズ)
ウェザーニューズの開発した ポールンロボ(提供:ウェザーニューズ)

 「ポールンロボ」から得られたデータは、インターネットを通じてウェザーニューズに自動送信され、同社のWEBサイトでリアルタイムに公開されている。


 PC・スマートフォン・タブレットなどを通じ、天気予報を目にする機会は格段に増えた。人々の天気予報の情報取得にITが貢献しているのは疑いようのない事実だ。一方で、天気情報を配信する側の「早く」「正確に」という取り組み自体は変わらない。気象衛星やアメダスなどから収集する従来の観測やそれに基づく予測に加え、ウェザーニューズのようにネットを活かして天気予報の精度を高めるという動きも出てきている。ITを駆使することで、我々のもとに確実な情報を運ぶための取り組みはこれからも続いていく。

(山下雄太郎)

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