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2014/5/19  1/2ページ

ビッグデータ、本当の使いどころは?(1)

数年前からIT業界で出現し、あちこちで使われ始めた「ビッグデータ」。最近はバズワードが一段落して話題にのぼらなくなった、というわけではなく、「データをどう使うか」ということがわかりつつある段階のようだ。

 「ビッグデータ」と呼ばれるものは一体何だったのか。そして、「ビッグ」と呼ばれたデータの使いどころは、本当はどこにあるのだろうか?

ビッグデータの成り立ち


 IT化によって急激に増えた情報量、という意味での「ビッグデータ」がメディアに露出を始めたのは2010年11月。米国ストレージ大手のEMC社が、同業のアイシロン・システムズ社の買収を発表した時だ。この頃は「クラウド・コンピューティング」が注目を集めていた時期。クラウド上に集約された情報をどうさばくか、というところで「ビッグデータ」が出てきた。

日経各紙での「ビッグデータ」登場回数
2013年はビッグデータが急増した (日経テレコンでの検索結果を元に弊社調べ)

 日経各紙で「ビッグデータ」が出てきた記事数を調べたところ、2010年はわずか2件だったのが、2011年に102件、2012年には614件、2013年は1800件以上に急増している。


 IT関連の老舗学会である情報処理学会でも、この動きは顕著だった。同学会が毎年テーマを決めて講演を行っている「連続セミナー」。このイベントの2012年と2013年のテーマは、それぞれ「ビッグデータとスマートな社会」、「ビッグデータの深化と真価」と設定されていた。


 また、「最もセクシーな職業と言われているデータサイエンティスト」というフレーズも、ビッグデータをテーマにしたセミナーで多く取り上げられた。


 このフレーズの元になったと思われるのは、2009年にGoogleのハル・ヴァリアン博士が言った「今後10年で最もセクシーな職業は統計家だ」というフレーズだ。ここでの「セクシー」というニュアンスは、どちらかといえば「魅力的な」といった程度のものだという(西内 啓氏の『統計学が最強の学問である』より)。「統計家」という言葉は「データサイエンティスト」という肩書に置き換わっている。


 ともあれ、「セクシー」というIT業界とギャップのある単語や、意味のあいまいな職業名もあって、「ビッグデータ」とともに「データサイエンティスト」と名前も広まったようだ。


ビッグデータの中身


 「ビッグデータ」と呼ばれる情報の中身は様々だが、EC(オンラインショッピング)では、

・消費者の属性情報(住所・性別・年齢等)
・購買履歴
・興味
・関心分野
・ポイント利用履歴
・位置情報

主に上記の項目が収集・分析されるデータである。分析結果はターゲティング広告や営業支援に活用されている。


 都市開発の分野では、スマートフォンの「位置情報」を時間帯別で収集し、コミュニティバスの路線計画、都市計画へ反映されている。カーナビやロボットで活用されている音声認識技術も、ネットワーク上のサーバにある膨大なデータからパターンを抽出して精度を向上させている。


 膨大なデータ活用は医療分野でも必要とされている。新薬開発では、10の60乗もある膨大な医薬分子の種類から、新規の化合物を自動生成する場合などで利用されている。「(効果的な結果を求めるための)計算は大変になるものの、製薬の面でビッグデータ化は恩恵を受ける」(統計数理研究所の吉田亮氏)といった具合だ。

>>「ビッグ」なままでデータを使うのは無意味?


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