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2014/4/24  1/2ページ

災害時に役立つロボット技術(1)

震災以降、災害時に活躍するロボットに注目が集まっている。2014年2月に開催された「保安電子通信技術セミナー・展示会」では蛇型ロボットやパワードスーツなどのブースが置かれ、参加者に間近で見られるようになってきた。災害時・非常時に活用されるロボット技術について、その動向を追いかけた。

阪神大震災から始まった災害ロボット研究


 日本での災害ロボット研究のきっかけとなったのは1995年の阪神・淡路大震災。それまで日本には災害ロボットの準備がなく、こうした大災害時で日本のロボット技術を生かすことができなかった。


 政府は2002年に、文部科学省主催で大都市大災害軽減化特別プロジェクト(通称、大大特)を開始する。これは大都市圏で地震などの大規模災害が発生した場合、被害を軽減させることを目的とした研究開発を行っていくといった取り組みだ。


 「大大特」における研究開発では、人命救助に必要なロボット技術や携帯端末などの研究が行われた。人間がアクセスしにくい災害地に調査を行うロボットや、それらを有効に活用するためのネットワーク・システムなどの研究が行われ、国内におけるロボットの研究者が多く携わった。


 この大大特プロジェクトに参加した研究者の1人が千葉工業大学未来ロボット技術センターの小柳栄氏。小柳氏は地上を移動して、被災地の被害状況を確認できるロボットの開発に着手する。そしてNEDO(新エネルギー・産業技術開発機構)などと協力し様々な思考錯誤を重ねてQuince(クインス)を完成させた。クインスはクローラー(キャタピラ)によって階段や瓦礫のある災害現場での高い推進力を実現。ロボットに詳しい知識をもたない人でも操作しやすいよう、TVゲーム機のようなコントローラーで動かすことができるロボットだ。

福島第一原発事故で活躍したロボット、Quince(クインス)
出典:千葉工業大学
福島第一原発事故で活躍したロボット、Quince(クインス)
出典:千葉工業大学

 クインスは、東日本大震災で発生した福島第一原発事故で活躍した。人間の進入が困難な原子炉建屋内部の写真撮影や、空気中の放射性物質のサンプリングを行うなど、現地作業員の負担軽減に大きく貢献することができた。他にも無人で作業するロボットが屋外の瓦礫の処理を行うなど、様々な被災地で活用された。


狭い場所で活用される蛇型ロボット


 前述の国内における災害ロボット研究の発端となった「大大特」。立ち上げにかかわった東京工業大学名誉教授の広瀬茂男氏はロボット研究の第一人者だ。

東京工業大学名誉教授 広瀬茂男氏
東京工業大学名誉教授 広瀬茂男氏

 広瀬氏は大学院修士課程の学生時に蛇の運動を解析し、蛇型ロボットの開発を行ってきた。この蛇型ロボットは関節に車輪がついており、狭い場所でも本物の蛇のように進める。また先端にカメラが装着されており、状況を映し出すこともできる。広瀬氏は「蛇の動きを取り入れたロボットをつくることで、これまで人が進入できない狭いところに入っていけるはず」という考えのもと、災害時の利用を想定した蛇型ロボットの研究に打ち込んできた。


 ロボットの研究は試験用のフィールドで実際に製作したものを動かし、問題点を見つけそれをフィードバックするという、地道な試行錯誤の繰り返しだという。

>>蛇型ロボットの発展型「蒼龍」、パワードスーツとは?


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