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2014/3/20  2/2ページ

ウェアラブルデバイスの可能性(2)

富士通研のグローブ型端末


 市販品だけでなく、工場の製造ラインや施設の点検などで活用される業務用のウェアラブルデバイスも研究が進められている。


 昨今の製造現場では、タブレットを含めた様々なデバイスを使う機会が増えている。反面、現場によってはデバイス操作のために作業が中断するケースもある。こうした不便を解消するために、富士通研究所が開発したのが、手の甲と人差し指を覆う形をした「グローブ型」のウェアラブルデバイスだ。これは作業結果の入力を、ジェスチャー操作で簡単に行えるようにするもの。

富士通研究所が発表した
グローブ型のウェアラブルデバイス
富士通研究所が発表した グローブ型のウェアラブルデバイス

 このグローブ型端末では、指先の接触センサーが対象物にタッチすると、手首部分に内蔵されているタグリーダーが起動し、指先からタグ情報を読み取る。このタグ情報をBluetoothでスマートフォンに伝達。タグ情報に紐づけされた作業支援情報がヘッドマウントディスプレイやイヤホンから出力され、作業をより効率的に進めることができるという仕組みだ。「タブレットが使いづらい狭いところでの作業など、利用シーンを想定してデバイスをつくりました。まずは2015年度中の実用化を目指し、現場のニーズをフィードバックしながら、試作デバイスを調整していきます」と富士通研究所の村瀬有一氏は語る。


ウェアラブルデバイスの可能性


 腕時計型、グローブ型など、ウェアラブルデバイスの活躍の場は広がるばかりだ。ウェアラブルデバイスの将来像はどのようなものが予想されるのだろうか。


 ウェアラブルの研究を専門にしている首都大学東京の池井寧(やすし)教授の研究室では、人間の学習効果を測定するためにスコープ型のウェアラブルデバイスを開発した。スコープの内部に映し出されたキャラクターに、スコープから見える本や教科書の本文を重ね、キャプチャを撮影。キャラクターと文章などと関連付けさせることでどう学習効果が高まるかという研究を進めている。

池井研究室のスコープ型ウェアラブルデバイス
池井研究室のスコープ型ウェアラブルデバイス

 これからのウェアラブルデバイスのイメージについて、池井氏は「ユーザをずっと見ているコンピュータとなるのが理想像」だと話す。ユーザが何をしているかログをとって詳細に把握し、情報を選別し、ユーザの行動に活かしていくのが究極の目標だとしている。

ウェアラブルデバイスを語る池井教授
ウェアラブルデバイスを語る池井教授

 そのためソニーのスマートバンドのように、日々の運動や体験などを記録し、過去の体験を再現する、あるいは未来に活かしていくといった使い方がこれからも進むだろうと指摘する。


 また、富士通研究所のグローブ型端末のような「作業の補助的な役割」も重要視されるとのことだ。工場での作業効率を高めるには、環境改善も必要となるため、ウェアラブルデバイスが作業改善のための第一条件となることはない。しかし図面を見ながらの修理など、作業を中断して確認する不便さが解消されることを考えると、作業する人も楽にはなるし、作業自体も効率化できるので より一層普及が進むはずとしている。


 日々の生活をより充実させ、業務面でも作業を効率化させるウェアラブルデバイス。今後の動向にますます目が離せなくなりそうだ。

(山下雄太郎)

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