知られざるAppleの中身(1)

著:アダム・ラシンスキー 訳:依田卓巳
早川書房
\1680/208ページ
発売日:2012年3月25日
Appleの内側
ティム・クックは「すごいものが出る」と煽っているものの、Appleの新製品に絡む情報の流出は止まらない。今度出る新製品も「時計型のウェアラブル端末で、健康情報にスポットを当てたもの」という話がもっぱらメディア関係者でささやかれている。
そんなAppleの内幕に日米の雑誌記者が迫った、2冊の本を紹介する。
『インサイド・アップル』
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| Appleの内情を描いた |
社内外で完璧なまでの情報統制を敷いていたApple。そのため、Appleがどのような組織になっていたのか、外部からはほとんど知られてこなかった。『インサイド・アップル』は、そんなAppleの内幕を米フォーチュン誌の記者が、元Apple幹部や社員の証言を元に描いたもの。
Appleの製品は他のメーカーとは違い、まずはデザイン部門から生まれる。デザインが完成すると、プログラムを組むエンジニア部隊とサプライチェーンを構築する原材料調達部隊が動き出す。プロトタイプが出来上がると、またデザインから製造、テストを繰り返して商品を開発。こうして新製品が生み出されていくのだという。
スティーブ・ジョブズが健在だった頃、新製品の情報管理が徹底していた。これはAppleの「知らせないことを徹底する」文化にある。社内はiPod、iPhone、iPad、そしてMacと、それぞれが「縦割り」の組織になっている。初代iPhoneの開発時には、新たなセキュリティルームが作られ、担当者以外はiPod開発陣ですら立ち入れない。
また、iPhone開発に携わる社員ですら、自分の担当する部分以外は全く知らされない。上司が入れない部屋に部下が入れる、ということも日常茶飯だと言う。自分が携わった仕事の結果は、カンファレンスでジョブズがプレゼンをした時に知る。自分の携わる情報を、故意にしろ過失にしろ、秘密を漏らしたら即時解雇。
「(プロジェクトなどの)打ち合わせで話したことを、なんだろうとも外にもらしたら、解雇するだけでなく、うちの弁護士の総力をあげて告訴する」(本文より)と、生前のジョブズは言っていたという。

