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3Dプリンタ、データ作りに挑戦(3)

3Dプリンタ、データ作りに挑戦

 
 

 
 

2014/2/3

『これから5年の競争地図』


日本の強みをどう引き出すか
日本の強みをどう引き出すか

 実際に「Autodesk 123D Design」で3Dデータを作成するには、グラフィックボードをつけるなど、スペックの高いPCが必要だ。最近はインターネットもタブレット端末やスマートフォンで済ませる人も多いだけに、しっかりしたPC環境がある若い人はあまりいないのではないだろうか。


 PC環境さえ整えば、家庭でもできる3Dプリンタを使ったモノづくり。興味としては強く惹かれるところもあるが、果たして「ビジネス」として使えるのだろうか? 『これから5年の競争地図』には、製造業をはじめiPS細胞日本の技術が、どのようなビジネスチャンスを持っているかを列挙している。


 3Dプリンタについては、血管などを再現する再生医療への活用が期待されている。京都大学iPS細胞研究所と東京大学では、耳の軟骨を3Dプリンタで作成し、iPS細胞をそこに加えて耳を再生する研究が行われている。


 100円ショップに並ぶようなものから、高度な形成を求められる製品まで、3Dプリンタの可能性は広がっている。3Dプリンタの役目は、量産型というよりも多品種少量生産だ。3DCADオペレーターやグラフィックデザイナーからすれば、便利な時代になったことは確かだ。


 今のところ、3Dプリンタには注目が集まっているものの、「3Dプリンタを使ってビジネスに成功した」という話は寡聞にして知らない。しかし、3Dプリンタの普及は製造業に限らず、これからの仕事のスタイルが静かに変わっていく「きっかけ」なのかもしれない。

(中西 啓)

今回取り上げた本

自宅ではじめるモノづくり超入門 『自宅ではじめるモノづくり超入門』
著:水野操 ソフトバンククリエイティブ
\2940/277ページ
2013年6月10日
これから5年の競争地図 『これから5年の競争地図』
著:中村吉明 東洋経済新報社
\1680/231ページ
2013年11月7日