Bookshelf ~今月の本

オリンピックと東京、新書で探訪(3)

隠れた名作ライトノベル特集

 
 

 
 

2013/8/1

オリンピック選手を支えるコーチ


縁の下の力持ち、コーチ
縁の下の力持ち、コーチ

 巨大イベントの運営ノウハウを持つ組織となったIOC、そしてイベントのインフラを整える開催地。準備万端の「舞台」で活躍するのはオリンピック選手である。観客側からすると、コンマ1秒を競うトップアスリートに注目しがちだ。しかし、アスリートを指導するコーチの存在があってこそ、選手は舞台で力を発揮することができるのである。『「才能」の伸ばし方』は、メダリストを育成したコーチのエピソードを集めたものだ。


 競泳の北島康介選手を育てた平井伯昌氏は、選手に対するビジョンが持てなければコーチではない、と断言。目先の大会を気にする選手の気持ちをくみ取りつつ、来年をどう戦っていくか、という意識が必要だという。


 リスクを負って選手と向き合っているコーチも少なくない。フェンシングで日本人初めてのメダルをもたらした太田雄貴選手のコーチ、オレグ・マツェイチュク氏。オレグ氏はウクライナから単身赴任で来日し、日本代表チームのコーチとして契約を結ぶ。言葉の問題や慣れない環境でオレグ氏のストレスはたまる一方。最初は太田選手とも折り合いが悪かった。紆余曲折を経てオレグと和解した太田選手はメキメキと頭角を現して、日本にメダルをもたらした。


 オリンピックは、かくも様々な人間の思惑が渦巻くイベントである。2020年、東京で開催されるならば、同じ空気を味わってみたい気持ちはある。新書は手軽にうんちくを仕込めるツールなので、今回のオリンピック開催地に合わせて、この3冊を読み込んでみてはどうだろうか。

(中西 啓)

今回取り上げた本

オリンピック物語 古代ギリシャから現代まで 『オリンピック物語 古代ギリシャから現代まで』
著:結城和香子 中公新書ラクレ
\777/216ページ
2004年6月10日(1巻)
首都高速の謎 『首都高速の謎』
著:清水草一 扶桑社新書
\798/285ページ
2011年3月2日
「才能」の伸ばし方 五輪選手の育成術に学ぶ 『「才能」の伸ばし方 五輪選手の育成術に学ぶ』
著:折山淑美 集英社新書
\756/213ページ
2009年10月21日