『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』

著:金子哲雄
小学館
\1365/210ページ
発売日:2012年11月27日
ビジネス論・死生観が詰まったお得な1冊
その独特ながらどこか優しげでキャッチーなしゃべり方と、解りやすい説明は、お茶の間のテレビで一度は見たことがある人も多いだろう。
2012年10月肺カルチノイドによりわずか41歳で急逝した流通ジャーナリストの金子哲雄氏。同氏が「何故、流通ジャーナリストとなったか」など自らの半生を振り返りつつ、余命宣告をされた後も全力で走り続ける姿を書くのが本書『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』だ。
死のわずか1か月前に書き始めたことで話題にもなった同書。その文は余命わずかの人物とは思えないほどエネルギッシュで、活力にあふれており、ゆえに故人の人柄をしのばせる。
情緒を抜きに本書を見ても、テレビで一躍話題となった金子氏が、成功したコツが本人のエピソードと共にわかりやすく説明されビジネス書としても興味深い。物が売れることはどういうことか? 人気を得るには? 他人に見てもらうためには? 流通から始まった考え方ではあるが、様々なビジネスにも応用ができる。
そして後半。余命宣告後の生き方・死に方は「すさまじい」の一言。生きているということは、必ずいつか死にゆくことではあるが、死を前にしながら人はここまで出来るのか。死の直前まで走り続ける力強さには、読み進めていくほど圧倒される。その様子は、仕事に生きる金子氏の生き様そのものだったのだろう。
ビジネス論、仕事観、死生観…1冊で様々な情報が詰まっている金子氏らしい実に「お得な1冊」である。
