Bookshelf ~今月の本

『外資系金融の終わり』

著:藤沢数希
ダイヤモンド社

\1680/242ページ
発売日:2012年9月13日外資系金融の終わり_著:藤沢数希

2012/12/13

著名ブロガーが外資系金融を丸裸にする!


 …ふむふむ、なるほど。ということは、ロンドンにいる知人や、「あいつは2500万もらっている」と言われていたあの人は、この本でいうと「ここら辺」のポジションだったのか…? という下世話な想像が、たくましくかき立てられるこの本。著者の藤沢数希氏は、理論物理学を研究していたが、外資系投資銀行に身を投じ、年収数千万円を手にするトレーダーとなった。藤沢氏は「金融日記」で有名なブロガーでもある。

 「リーマンショックやユーロ金融危機がどういう構図であったか」を皮切りに、外資系金融業界の仕組み、「簡単にクビが飛ぶ」と言われる外資系の人事について書かれている。ゴールドマンサックスやメリルリンチといった外資系投資銀行が、巨額の運用資金を託す顧客の接待などが具体的に書いてある。

 具体的であるがゆえに生々しい話になっており、「ところどころ本文が『墨塗り』になっている」という驚きも、かえって分かにくい金融業界をすんなり飲みこむための呼び水になっている。金融が大の苦手な人でも手に取るように分かる。

 博打を打って、勝てばボロ儲け、逆張りをしてオケラになりそうになったら他人の金(税金)でフォローされる、というのが大手金融業界の構図だったということである。本書を詳しく読み込み、政治家がどのような金融政策を挙げているかを見てみるのも面白いかもしれない。

(中西 啓)