『表現の技術 グッとくる映像にはルールがある』

著:髙崎卓馬
電通
\1680/230ページ
発売日:2012年8月10日
“表現”に関わる人すべてに読んでほしい良書
私もライターという職業柄、表現に関わる仕事の“はしくれ”にはいると思っている。しかし日々を過ごしていく中で、クリティティブなはずの仕事を、作業的に事務的にこなし、それを“効率よく仕事をしている”などと勘違いしてしまうことがある。
今回、紹介する書籍『表現の技術』は、そういう勘違いを根本から打ち壊す1冊だ。著者は電通で数々のCMを手掛け、カンヌ国際広告賞も受賞している髙崎卓馬氏。
「人は笑う前に必ず驚いている」として、まず人を感動させる、つまりこころを動かすためには驚きが必要と説くところから始まる。サントリーの「オールフリー」や「行くぜ東北」キャンペーン、明治製菓・キシリッシュの「福山雅治シリーズ」など、髙崎氏が実際に手がけて、しかも誰もが見たことあるようなCMを具体例に、絵コンテの考え方、構成の仕方、発想の生み出し方を丁寧に教えてくれる。
「起承転結は物語を劇的につまらなくする」「物語を説明しない」などは、まさに目からウロコ。
魚を与えるとその日しか腹を満たせないが釣りの仕方を教えればずっと食べていける、という。もちろん自ら釣りをする必要はあるし、技術も積み重ねなくてはいけないが、永く自らの役に立つ。この書籍も同じ、魚を与えられるだけ…つまり書いてあったテクニックを1つ覚えて終わりではない。今後永くにわたり、自ら技術を積み重ねていくための「釣りの仕方」を教えてくれる。表現に関わる人すべてにお勧めしたい。
