Bookshelf ~今月の本

『「ローリング・ストーン」インタビュー選集』

「ローリング・ストーン」インタビュー選集_編・著:ヤン・S・ウェナー他

著・編:ヤン・S・ウェナー、編:ジョー・レヴィ、訳:大田黒奉之、富原まさ江、友田葉子
ティー・オー・エンターテインメント

\3150/536ページ
発売日:2008年12月25日

2012/8/9

著名人から「執筆拒否」の作家にもインタビュー


 1967年に創刊した『ローリング・ストーン』誌。本書は様々な分野の第一線で活躍する著名人たちが同誌の取材に応じたインタビューを選りすぐったものだ。ジョン・レノンやレイ・チャールズ、ジョージ・ルーカスにフランシス・コッポラ。果てはダライ・ラマからビル・クリントンなどの政治家と、ありとあらゆるジャンルのスターに話を聞いている。

 この本、実に500ページ以上のいかつい単行本なのだが、面白いのはインタビューを受けている人間が、どんどん素をさらけ出していくところ。ジョン・レノンは、やおらビートルズ時代のメンバーとの確執やドラッグについて話し出すし、ザ・ドアーズのリーダー、ジム・モリソンはインタビュアーを酒に誘い出す。

 著名人へのストレートなインタビューだけではなく、中にはこんな変化球記事もある。

 トルーマン・カポーティー(作家、『ティファニーで朝食を』の原作者)が、ローリング・ストーン誌から依頼されていた「ローリングストーンズ」のツアールポを、突然放り出してしまった。その理由をカポーティーにインタビューしたものもこの本には掲載されている。

 インタビュアーは、マリリン・モンローのシルクスクリーンで有名な画家のアンディ・ウォーホルだ。作家と画家という、何とも不思議な組み合わせだが、ウォーホルがカポーティーの家を訪ねるところからインタビューは始まる。

 カポーティーはウォーホルを動物園やバーに連れまわした揚句、酒を飲みながら執筆拒否の理由を語る。またこれが「言っても大丈夫?」という内容が綴られている。

 3000円という価格も「ぶっ飛んだ」ものだ。もちろん、読みごたえとしては価格以上の価値は大いにあるものの、大抵の洋書翻訳本はこうした傾向が強いように思う。個人的には肌身離さず持ち歩きたいので、文庫版が出てきてほしいところである。

(中西 啓)