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震災関連書籍特集

特設コーナーで気になった3冊をピックアップ。使い勝手を検証した

震災関連書籍特集
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2011/6/9

「もしも」に備えて…


 2011年3月11日は、日本国民の…特に東北、関東の人々にとって忘れられない日となった。津波や火災などの直接的な被害を受けなかった首都圏ですら、交通機関の要である電車がマヒした影響で大混乱に陥った。 その影響で現在、書店でも震災関連の書籍が大きくコーナーを取っている。当時、東京で多くの人が体験させられた徒歩帰宅のための『震災時帰宅支援マップ』はどの書店でもコーナーの中心に置かれている。


東京ルート(クリックすると拡大します)
東京ルート
(クリックすると拡大します)
 

 そこで筆者が『震災時帰宅支援マップ』を参照して会社のある月島から直線距離で北西16キロのところにある練馬区・春日町の自宅へのルートを歩いて検証してみた。


 11:55。徒歩帰宅開始前。地震発生時の対応はケースごとに様々な書籍に掲載されている。ちなみに東日本大震災後に刊行された『大地震! とっさの行動マニュアル』ではオフィス内で地震に遭遇した場合、出入り口に近かったら外に避難することを推奨している。


月島側から中央大橋を望む。月島は文字通り「島」であるため、橋がなくては出ることもかなわない
月島側から中央大橋を望む。月島は文字通り「島」であるため、橋がなくては出ることもかなわない

 12:00。会社から出発。佃大橋を使うルートは『震災時帰宅支援マップ』によると「混雑」しているため中央大橋経路を取る。筆者は当日佃大橋から帰り、確かに混雑に巻き込まれた。ただ『大地震東京危険度マップ』によると中央区から千代田区のルートは、倒壊や火災の危険度は低いため、その点は安心だ。


左は万世橋、右は文京区役所。わかりやすいシンボルを見つけると道があっていることが確認できて安心する 左は万世橋、右は文京区役所。わかりやすいシンボルを見つけると道があっていることが確認できて安心する
左は万世橋、右は文京区役所。わかりやすいシンボルを見つけると道があっていることが確認できて安心する

 12:35。東京駅手前の国道15号で右折。これも支援マップ予測の「混雑」を避けてのこと。実際3月11日の震災時の東京駅付近は路上まであふれるほどの人混みだったので、こういう情報が記入されているとルートの検証に役立つ。


 13:20。万世橋を渡り湯島聖堂を左に見ながら、道なりに進むと文京区役所が見えてくる。そのまま坂をのぼり春日通りへ。

 15:00。春日通りを進むと左手に池袋サンシャインが見えてくる。『震災時帰宅支援マップ』に掲載されている東京から延びる各街道を取り上げた「帰宅支援ルート図」は、北ではなく進行方向が上という珍しい作り。


春日通りから川越街道へは、池袋六ツ又陸橋の下を通る。川越街道方面はここでは「池袋駅西口」なので要注意
春日通りから川越街道へは、池袋六ツ又陸橋の下を通る。川越街道方面はここでは「池袋駅西口」なので要注意

 『大地震東京危険度マップ』によると春日通りの文京区大塚~川越街道の板橋区大山付近までは、古い住宅が密集し、火災や倒壊の危険度が高い。3月11日の震災は東京直下型でなかったためかそこまでの被害はなかったが、次もそうなるとは限らない。そのため、実際には遠回りをする可能性も高いが、ここでは「川越街道」を選択した。


環八との合流点。ここから自宅まではひたすら直進するだけ。地図上で確認すると行程は約20キロだった
環八との合流点。ここから自宅まではひたすら直進するだけ。地図上で確認すると行程は約20キロだった

 16:30。環八との合流点。あとは左折して直進のみ。
 17:10。無事到着。 自らの足と地図だけで5時間程かけて帰宅を果たした。
 今回は実験も含め徒歩で移動したが、『大地震! とっさの行動マニュアル』ほか多くの書籍でも、徒歩帰宅には慎重な姿勢を示していることは併記しておく。
 地震は次、いつ起こるか分からない。非常時に自分の命や家族、財産を守るために、このような書籍を読んで備えることをお勧めしたい。

(井上宇紀)

今回取り上げた本

震災時帰宅支援マップ 首都圏版 震災時帰宅支援マップ 首都圏版
昭文社
¥840/144ページ
2009年8月20日(2版)
大地震! とっさの行動マニュアル 大地震! とっさの行動マニュアル
著:山谷茉樹 廣済堂出版
¥1155 /160ページ
2011年4月23日
大地震東京危険度マップ 大地震東京危険度マップ
監修:中林一樹 朝日出版
¥700 /80ページ
2005年5月5日