Bookshelf ~今月の本

『ザッケローニの哲学』

 

ザッケローニの哲学_著:アルベルト・ザッケローニ_訳:久保耕司

著:アルベルト・ザッケローニ 訳:久保耕司
PHP研究所

\1050/117ページ
発売日:2010年12月28日

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2011/5/12

日本代表を率いる知将の履歴書

 2011年早々、日本全国をわかせたサッカー日本代表。アジア杯での優勝は、明るいニュースとして大きく取り上げられた。ライバル韓国との熱戦や、オーストラリアを下したSAMURAI BLUEを率いていたのは、イタリア国内で数多のチームを率いてきた知将アルベルト・ザッケローニ。事前にあった有象無象の批判を吹き飛ばすような快進撃に、日本中が酔った。

 本書は、アルベルト・ザッケローニの自伝だ。イタリア北部のメルドラで生まれたザッケローニは、サッカー好きの父の元に生まれ、子供のころからサッカーに親しんできた。若くして選手になったザッケローニだが、その才能を花開かせる前、20歳前にして病から現役を引退する。

 その後、それらの逆境の中でも彼のサッカーへの情熱が燃え上がり続けていることは、ご存じの通り。「監督」という立ち位置に高い誇りを持って取り組んでいる姿が、本書からひしひしと伝わってくる。地元とサポーターを非常に大事にし、一方でグラウンドでの采配についてはオーナー相手ですらひるまない固い意志には、脱帽するばかりだ。

 これからSAMURAI BLUEを率いる監督ザッケローニの「思い」を知っておけば、サッカーの試合観賞が何倍も面白くなることは請け合い。大きな試合のときだけ見る俄かサッカーファンも、次の試合(予定は6月のキリンカップ)までにはぜひとも読んでおこう!

(井上宇紀)