500万記事(Justy Finder)の解析でみえた報道の深層
2分でわかるPR上手な「みかん県」(1)
「みかん」といえば、どの都道府県が思い浮かぶだろう。ちなみに、静岡、和歌山、愛媛の3県で、全国のみかんの収穫量の半数を占めている。
飲み会などで、各県の出身者が互いを意識してみかんについて熱いディスカッションを展開するのを見かけたことがある人も少なくないのではないだろうか。最新(2013年度)の収穫量では、全国の19%を和歌山が占め、愛媛と静岡がそれぞれ15%、14%で続く。この順位は、パーセンテージに変化があっても、5年以上不動だ。
今回のJusty Finder解析では、各県のみかんを巡る報道量を分析し、味覚とは別の観点から「みかん論争」へのネタを提供してみた。なお、各県ごとの解析は、2013年と2014年の記事のうち、「みかん」「ミカン」の両ワードいずれかが使われていた記事を対象に行った。
あの伝説を再現した愛媛県
ニュース本数が最も多いのは愛媛県(631本)。「みかん」「ミカン」ともに300本以上のニュースで使われていた。その内容を見ても、正月の「みかんジュースの鏡開き」(NHK online)から12月の「オレンジ色の光温かく 八幡浜・みかんツリー点灯式」(愛媛新聞)までバラエティに富んでいる。
愛媛県と言えばかつて、ひねると「みかんジュースが出てくる蛇口」の存在が都市伝説化していた。最近では実際に、松山空港に月に1度「噂の蛇口」が登場している。記事の中にはこの蛇口が、キャンペーンで東京や大阪などの県外に出張し、長蛇の行列ができた模様を伝えるものもあり、都市伝説を利用するなど愛媛県のPR上手な面がうかがえた。
収穫量がトップの和歌山県は、報道量では愛媛県に次ぐ448本。政府統計で和歌山県のみかんが「10年連続日本一」(NHK online)となったことを伝える記事ももちろんあった。しかし、興味深かったのは「和歌山なんだから、みかんをもっと食べよう」(和歌山放送)のように、みかんの消費を推進する取り組みを伝える記事だ。
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