500万記事(Justy Finder)の解析でみえた報道の深層
ベジ系・二郎 そこが知りたいラーメンデータ(1)
2013年1月から2014年12月までの2年間で、検索エンジンJusty Finderが「ラーメン」をキーワードに抽出した記事は計9204本となりました。1日あたり12.6本という計算です。同じ麺類である「うどん」(7346本)や「パスタ」(3791本)と比べて、大きな差をつけています。「カレー」(14376本)には大きく水を空けられたものの、国民食といって差し支えないでしょう。
14年12月発売のミシュラン初掲載
上のグラフをご覧ください。多少の差はありますが、四季の変化にさほど影響されることなく安定した値を保っています。注目する点は2つ。1つめは、13年と14年の両年の10月から11月にかけての伸びです。これは、日本最大級のラーメンイベント「東京ラーメンショー」(77本)が開催されたためと思われます。同イベントが2013年は11月15日~11月24日、2014年は10月24日~11月3日に開催されていることからも明らかで、グラフもそれに対応しています。東京ラーメンショーの報道に熱心なのは、夕刊紙の「夕刊フジ」。2年間で20本の記事を配信しています。その内18本は、著名なラーメン評論家・大崎裕史氏の「この男麺喰いにつき」という連載によるものです。
2つ目は、14年12月の大きな伸びです。13年には落ち込んだ本数が14年になぜ浮上したのでしょうか。これは同月5日に発売された「ミシュランガイド東京2015」の影響によるものと思われます。今回、「5000円以下でリーズナブルに楽しめる店」を意味する「ビブグルマン」というカテゴリに、ラーメン店が初めて掲載され話題となりました(41本)。その数22軒。ビブグルマンに通常の星による評価はありませんが、ミシュランガイドは毎年更新されるため、15年12月には再び大きなけん引役とやることが期待されます。
地方に根付く様々なラーメン文化
各媒体の報道量も見てみましょう。全国紙による報道は2939本。その内訳は読売615本、朝日356本、毎日561本、産経1208本、日経199本となっています。各社にばらつきはあるものの、高い関心を持っていることがわかります。産経が大きく数字を伸ばした理由としては、かつて同社大阪本社の記者らが結成した「大阪ラーメン部」と、エースコックが製品を共同開発したことや、元来エンタメ・グルメ記事にも大きく力を入れている媒体ということも要因と考えられます。続けて地方紙を見てみると、2011本となっています。全国5紙には及びませんが、十分多いといえます。掲載記事を見ると、日本各地でさまざまなラーメン製品が作られ、地元紙がそれを細かく取り上げていることが分かります。一食文化として地域にしっかり根付いていることを表しています。スポーツ紙(夕刊紙を含む)は1576本。スポーツ紙や夕刊紙のメーン購読者は中高年の男性です。ラーメン記事が多いのもうなずけます。
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