平成21年度最初の関東テレコム講演会が開催:イベント・セミナーレポート:HH News & Reports:ハミングヘッズ

ITをもっと身近に。新しい形のネットメディア

- Home > コラム > イベント・セミナーレポート > 平成21年度第1回関東テレコム講演会が開催
 コラムトップページ
 インタビュー記事 ▼
 イベント・セミナーレポート ▼
公認会計士松澤大之
内部統制で変革すべき
は“個人の意識”
(動画あり)

セミナーレポート
平成21年度第1回関東テレコム講演会が開催

 総務省などが推進する情報通信月間(5月15日~6月15日)に合わせ、平成21年度(2009年度)最初の「関東テレコム講演会」(主催・総務省関東総合通信局、社団法人テレコムサービス協会関東支部)が6月5日、東京都千代田区の東京商工会議所ビルで開かれた。国のICT関連政策と今後のNGN*1サービスの方向性をテーマに2氏が登壇し、関連業界の関係者ら約130人を前に熱弁をふるった。

 野村総研シニア・フェローの村上輝康氏は日本のICT戦略の現状について、昨秋以降の景気悪化で「ICTの世界にも、緊急時に対応する必要性が生じてきた。公共投資的な性格を持ち、景気回復後の仕込みにもなるような施策を動員して体系化する必要が出てきた」と指摘。
 そのため、学識経験者で構成され、自身もメンバーとなっている政府内の「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」で2009年2月から、3ヶ年の緊急プランとその後中長期戦略の策定作業が始まったことを報告した。

「変化するわが国のICT関係ビジョンの方向性」をテーマに講演した村上氏
「変化するわが国のICT関係ビジョンの方向性」をテーマに講演した村上氏
 3ヶ年の緊急プランは4月にまとめられたが、村上氏は(1)「電子政府・自治体の推進」「日本健康情報コミュニティ(仮称)構想の実現」「デジタル教育の推進」の三大重点プロジェクト推進、(2)産業・地域の活性化と新産業育成の取り組み、(3)デジタル基盤の整備推進――の3点が施策の柱になると説明した。
 引き続き中長期の方向性については「ユニバーサル化(普遍化)を核にするべき」と話し、これまでのインフラ、ネットワーク中心の戦略から利用者中心の戦略に転換し、具体的な目標もICTの普及や利活用といったものから、ICTで利用者の多様な能力を高めることをめざし、それを世界共通の利用技術、利用形態として受け入れやすいものにしていくべきとの持論を展開した。

 テレコムサービス協会政策委員長の今井恵一氏は、NGNサービスが今後普及していくことで「従来の企業活動そのものが変わるという期待がある」と力説。具体例として、ビジネス資産をネットワーク経由で必要な時にだけ調達したり、企業活動をリアルタイムに把握したり、オフィスにいなくても上司や同僚、顧客と業務や提案を共有できる点を挙げた。
 企業でのNGNの使い方については、すでに実現されているテレビ電話サービスや、多拠点向けに映像を配信するサービスに加え、必要な時にだけ使用して使った分だけ課金されるようなオンデマンド型のWAN*2サービス、企業間にまたがるような情報システム基盤の整備などにニーズがあると言及した。

約130人の参加者へNGNの課題を力説する今井氏
約130人の参加者へNGNの課題を力説する今井氏
 一方、現在の課題については「今のサービスはコンシューマ(消費者)向けが中心、データ通信系の新たなサービスを出してもらわないと、法人の利用は伸びない」と強調。
 NGNをオープン化する必要性にも踏み込み「インターネットがこんなに広まったのは、囲い込みをせずに誰でも使えるようになったから。公開可能なインタフェースはすべて公開してもらえれば、いろいろな使い方を考える多くの人が集まってくる」と主張した。

 ICTの3ヵ年緊急プランについては、不況脱出の一助になるだけでなく、社会全般のデジタル化進展の引き金となることにも期待したい。NGNサービスにはまだまだ課題が多いものの、議論の動向や技術的な発展を見守りたい。

 第2回目の講演会は10月22日に予定されている。


平成20年度第3回関東テレコム講演会はこちら

クラウドコンピューティングとIPv6の展望について講演



※この講演とセキュリティプラットフォームは一切関係ありません。



注釈

*1:NGN(Next Generation Network)
IP技術を利用し、電話やデータ通信、ストリーミング放送などを融合したマルチメディアサービスを実現する電話網。国内ではNTTが2008年3月から商用サービスを開始しており、次世代の社会ネットワークとしての役割が期待されている。

*2:WAN(Wide Area Network)
本社と支社などの離れた拠点のLAN同士を結ぶネットワーク。


お問い合わせ

  コラムトップページへ▲