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公認会計士松澤大之
内部統制で変革すべき
は“個人の意識”
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セミナーレポート
ネット上の有害情報規制と電子書籍に関するセミナーが開催

 一般社団法人インターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)は6月22日、ネット上の青少年有害情報の規制と現状について議論するセミナーを、東京都新宿区の市ヶ谷健保会館で開いた。同テーマでは3回目の開催で、今回は2人の講師を招き、諸外国におけるインターネット利用規制の現状と電子書籍の問題点について講演が行われた。

 財団法人インターネット協会の国分明男氏は「各国の青少年のインターネット利用と規制の現状~最新のEU事情などを中心に~」と題して講演。
 ドイツの研究者が提唱したネット上の違法・有害情報への包括的な取り組みに必要な4つの側面――1.利用者への啓発活動、2.フィルタリング、3.ホットライン、4.法規制、についての課題を説明した。
国分氏はフィルタリングやホットラインにおける国際協力の必要性を強調した
国分氏はフィルタリングやホットラインにおける国際協力の必要性を強調した
 このうち、フィルタリングについては「携帯電話が国際的につながるようになったので、フィルタリングも国際的に行わないといけない」として、サイトが有害かどうかを判断するレーティングの国際共通基準を整える必要性を指摘。
 ホットラインについては「日本のプロフの画像が米国サイトに載っている」など、コンテンツが海外サーバ上に存在するケースも多く、サーバが設置されている国へ通報する必要が生じてくることから、各国間の協力が必要になってくるとした。

 さらに1996年以降、相次いで創設された英、独、米のホットラインの状況を紹介。「英国では国内から発信された違法コンテンツが、1997年には全体の18%あったが、2004年には1%未満に減った。独でもホットラインは非常に成功し広く国内で認知されている」などと述べた。

 このほか、日米や欧州主要国が批准しているサイバー犯罪条約へ対応する必要性にも触れ「データやシステムの機密性に対する犯罪やコンピュータ詐欺、児童ポルノ関連や著作権に関する犯罪などへ各国が対応しなければならない」と力説。「国内法をできるだけ国際的に対応したものにしなければならず、国際連携がしっかりしないと犯罪の歯止めが利かなくなる」との認識を示した。

 1990年代から電子出版を手掛けてきたボイジャー社長の萩野正昭氏は「電子書籍の現状と表面化しつつある問題」をテーマに語った。
萩野氏は従来の電子出版の問題点と今後の課題を述べた
萩野氏は従来の電子出版の問題点と今後の課題を述べた
 萩野氏は、従来の電子出版の問題点について「(電子デバイスは)電源がないと読めないし、生産中止と新製品導入が繰り返されてきた。多くの企業が読者をそっちのけにして競争してきた結果、リーダーやビューアのフォーマットがまちまちになっている」と指摘。「そうした理由で電子出版は人々の心に響いてこなかった。『いつでも、誰でも読める』という特徴がないと本とはいえない」と力を込めた。
 その上で「我田に水を引くことなく、技術を共有しないといけない。先を行くことなく、例えば古いOSにも対応するといった『殿軍(しんがり)』であることが大切」と持論を展開した。

 今後の電子書籍の課題については「オープン化、国際標準化が進んで行かざるを得ない」と、出版フォームの標準化の必要性を強調。「(フォーマットが異なる)同じ内容の電子書籍が2冊作られてはならない」と訴えた。


※この講演とセキュリティプラットフォームは一切関係ありません。


注釈

*:ホットライン

ここではインターネット上にある児童ポルノ、規制薬物の広告といった有害情報について、一般利用者からの情報提供を受け付け、一定の基準のもとに情報を選別し、警察への情報提供やサイト管理者への対処依頼などを行う団体のことを指す。1996年に英国で設立されたIWF(=Internet Watch Foundation)が最初とされる。日本では2006年にインターネット・ホットラインセンターが設立され、警察庁から業務委託を受けている。


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