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公認会計士松澤大之
内部統制で変革すべき
は“個人の意識”
(動画あり)

「IPA Forum 2008」が開催

 産学と連携し、情報セキュリティの強化や、ソフトウェア・情報システムの信頼性向上、IT人材の育成などを促進している独立行政法人情報処理推進機構(以下IPA)は2008年10月28日に「IPA Forum 2008」を開催した。


各会場には多くの受講者が集まった
各会場には多くの受講者が集まった
 秋晴れの中、東京都港区の明治記念館内にある5つの会場で行われた同フォーラムでは講演や授賞式などが行われ250人も入るホールが満員となり、熱気で満ちあふれた。

 今年で4回目になる「IPA Forum」では毎年、情報セキュリティやIT人材育成、オープンソフトウェア、エンジニアリングなどについて、各企業経営者や大学教授、経済産業省ら有識者を招いて講演・ディスカッションを行っている。近年、新卒者のIT業界就業希望者が減っているといわれる中、これを払拭するような講演もいくつか見受けられた。
 ほかにも小中高校生から公募した「IPA情報セキュリティ標語・ポスター」の授賞式を昨年のフォーラムから実施。若年層に向けた講演も行い、情報セキュリティについて幅広く啓発していた。

学生とパネラーの間では白熱した議論が展開された
学生とパネラーの間では白熱した議論が展開された
 記念館内にある「蓬莱の間」では大手IT企業経営者と現役学生10人による討論が行われ、業界の労働環境や、求められる人材などについて活発に議論が交わされた。議論の中で学生側が持つ疑問点を、企業側の代表者が質問に答えるかたちで進行していった。
 IT業界には多くの可能性がある一方、問題点も多く抱える。特に学生側からは「残業が多いのでは」などといった意見が出た。これについてIPA理事長の西垣浩司氏は「残業という点については、最近かなり改善されている」と述べ、誤解の場合が多いとした。

 また国内では専門性が高い人材が活躍できる場が少なく、評価基準が透明である外資系企業に逃げているという厳しい指摘もあった。専門性の高い天才肌の人材を欲している企業も増えてきているという話も挙がり、学生と企業側に横たわる溝はまだ深いが、かなり縮まりつつある様子がうかがえた。

若年層へインターネットの利便性と危険性を説く会田氏
若年層へインターネットの利便性と危険性を説く会田氏
 同館内の「富士1の間」では、「インターネットを上手に使おう」と題し、PCなどを市民活動団体や非営利団体に寄付しているNPOイーパーツ常務理事の会田和弘氏が講演を行った。講演に先立ち同会場で「IPA情報セキュリティ標語・ポスター」の授賞式があったため、若年層に向けての啓発が込められていた。

 インターネットを介したいじめ、犯罪などに青少年が巻き込まれる被害が近年増加している中、当人たちのセキュリティ意識を高めることが重要な位置づけにあると会場の参加者は実感させられたようだ。

情報漏洩の実態について慎重に議論
情報漏洩の実態について慎重に議論
 また過去に漏洩事件が起こってしまった企業や、セキュリティ専門の会社から責任者を招き、情報漏洩の最新事情についてパネルディスカッションを行った。

 情報漏洩について、対策が不十分な企業や認識が低い企業が多いことが議題に上がった。企業の大多数は、情報漏洩が起こってから初めて対策を練るところがほとんどだという。また実際に漏洩があった際に受ける損害額を想定している企業は少なく、情報漏洩がいかに多額の被害を会社にもたらすかをよく検討すべきであるとした。
 また特定のユーザを標的として、例えば業務メールなどを偽り、添付したマルウェア(悪意のあるソフトウェア)のファイルを開けるように誘導する「標的型攻撃」が近年流行していることについても示唆。仕事を行っている企業間の連携で被害を防ぐなど具体的な方法論も語られた。
 最後に、セキュリティ強化に向けた様々な面での企業・官民間連携を図るため、まずは公的機関で足並みを揃えることが、被害拡大を防ぐ道だと結んだ。

 今回のフォーラムでは、多岐に渡る分野で起こっている問題を提起するような講演が多かった。今後、日本の社会基盤・インフラとしてITの信頼性を向上させ、発展させるためにもこのような問題点を逐一解決していく必要性を感じさせるフォーラムとなった。



情報処理推進機構(IPA)のホームページはこちら

「『IPA Forum 2009』が開催」セミナーレポートはこちら



※この講演とセキュリティプラットフォームは一切関係ありません。



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