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2011/8/29

3G回線

概要

 3G回線とは、第3世代移動通信システムで使われている回線のことを指す。2011年現在、日本国内で普及している携帯電話およびスマートフォンの95%以上は3G回線が使われており、2011年現在における移動通信システムの主流である。アナログ方式の「第1世代」、インターネット閲覧などが可能になったデジタル方式の「第2世代」、そして第2世代をより高速へ発展させたものが「第3世代」と呼ばれている。


歴史


 1980年代には、第3世代移動通信システムの構想が国際電気通信連合(ITU)内ですでに話し合われていた。1990年ITU内にある無線通信部門「ITU-R」は3G回線に関する勧告である「次世代公衆陸上移動通信システム」(後にIMT‐2000と改称)を発表。勧告では、3G回線が目指す通信速度を以下のように設定した。

・屋内(静止)環境では最大2Mbps
・歩行移動環境では最大144Kbps
・自動車移動環境では最大64Kbps

 この通信速度を目標として世界各国で技術開発が行われ、1999年頃から各国で開発された3G技術を国際標準化。順次、規格をリリースしていった。第2世代で独自規格である「PDC」を主に採用していた日本国内においても、第3世代では国際標準規格である「W-CDMA」(NTTドコモ、ソフトバンク、イー・モバイル)と、「CDMA2000」(KDDI)が採用された。


 2010年12月より、NTTドコモは国内では「3.9世代」と言われている通信サービスLTE(Long Term Evolution)を開始した。この通信規格は、米国など諸外国では「3GEvolution」「Pre4G」などと呼ばれる、第4世代への橋渡しとも言える通信手段だ。また2011年7月には、UQコミュニケーションズが第4世代の通信規格「WiMAX2」のフィールドテストを行い2013年には実用化すると発表している。第3世代をさらに高速化した第4世代の通信速度は50Mbps‐1Gbps(UQコミュニケーションズのフィールドテストでは下り最大147 Mbps)と言われており、光ファイバー(FTTH)と同程度を想定している。


役割・課題


 3G回線になって通信速度が向上してから、動画コンテンツや携帯電話による様々なコンテンツの配信が行われるようになった。また「パケ放題」のような通信容量に関わらず定額となるプランが標準的に提案されるようになり、スマートフォンとともに、世界のモバイルインターネット普及に大きな寄与をした。

表:2011年8月29日現在、各キャリアがかけている通信速度容量制限の概要
表:2011年8月29日現在、各キャリアがかけている通信速度容量制限の概要。2011年10月1日よりKDDIはスマートフォンについても直近3日間が300万パケットを超えたユーザに制限をかける予定。

 一方で「パケ放題」により、ごく一部のヘビーユーザが大容量の通信を利用するため、多くのユーザが使用している通信回線が圧迫される、という事態を招いている。2011年7月に米国の大手通信会社AT&Tは「上位5%のヘビーユーザの通信回線を制限する」という発表を行った。日本でも、携帯電話4キャリアは通信容量が一定の数字を超えたユーザに使用制限をかけている(表)。


 そのため第4世代移動通信システムの普及においては、爆発的に増大する通信トラフィックへどう対応していくか、議論を重ねていく必要があるだろう。

(井上宇紀)

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