青少年インターネット環境整備法の意義とは:HH News & Reports:ハミングヘッズ

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内部統制で変革すべき
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内藤 新一 内閣府青少年インターネット環境整備推進室参事官補佐に聞く「青少年インターネット環境整備法の意義とは」

内閣府青少年インターネット環境整備推進室参事官補佐
内藤 新一
「青少年インターネット環境整備法の意義とは」

 今春4月から「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(以下、青少年インターネット環境整備法)が施行された。ISP(インターネットサービスプロバイダ)や携帯電話業者などは青少年(18歳未満)へフィルタリングの提供が義務付けられることとなる。同法成立によって、社会にどんな影響があるのか。法案の策定に携わった内閣府 青少年インターネット環境整備推進室参事官補佐の内藤新一氏にお話をうかがった。


内藤新一 内閣府 青少年インターネット環境整備推進室参事官補佐
内藤新一 内閣府 青少年インターネット環境整備推進室参事官補佐

「青少年インターネット環境整備法」成立の過程

―これまでの内藤さんが携われた業務について教えてください。

内藤氏 郵政省(当時)で電子署名法の制定に携わっていました。これは公開鍵暗号などについて本人しかできないという性質を利用して、インターネット上での契約に際し、紙における印鑑と同じような効果を持たせることを目的としたものです。
 その後、イギリスに留学し、市場や企業に対する規制を中心に学びました。帰国後の2002年からは電波法の改正に取り組みました。それまで携帯電話などが電波を適切に出しているかの検査は国の指定を受けた試験機関が行っていたのですが、これをメーカーが自らチェックして、そのデータを提出すればよい、という形にしました。

―青少年インターネット環境整備法が立ち上がったきっかけを教えてください。

内藤氏 青少年が携帯電話から出会い系サイトにアクセスして被害に遭うようになり、政府としても特に携帯電話のフィルタリングの導入促進に向けた取り組みを進めていました。法制化については、2007年10月末から自由民主党の青少年特別委員会で議論が始められ、翌2008年の1月には民主党もプロジェクトチームを立ち上げて、それぞれ法案の検討を進めていました。2008年の5月に衆議院の青少年問題に関する特別委員会を軸に与野党の調整が図られ、6月に、与野党とも異論がないということで、同委員会の委員長提案として提出されました。
参考資料:出会い系サイトに関係した事件の検挙件数(警察庁資料より引用)。2008年(平成20年)の被害児童724人のうち、約98%が携帯電話からサイトにアクセスしていたという
参考資料:出会い系サイトに関係した事件の検挙件数(警察庁資料より引用)。2008年(平成20年)の被害児童724人のうち、約98%が携帯電話からサイトにアクセスしていたという
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 いわゆる議員立法になりますが、青少年とインターネットについての問題が非常に大きいと認識し、対策を講じなければならないという意識で、与野党が一致したのだと思います。

法律の制定にあたって

―法案が出された時、業界からは反対の声が多かったようですが。

内藤氏 インターネット関係の5社が反対の共同声明を出された他、日本新聞協会や日本民間放送連盟も反対意見を表明されていました。いずれも、表現の自由を懸念する観点であったと記憶しています。

―附則に「施行3年以内に変更する」とある理由は何でしょうか。

内藤氏 現時点での状況に合わせて法律が制定されましたが、インターネットは非常に変化の早いものですので、3年後に状況を見て直すべきであるということだと理解しています。政府提出法案の規制でもよく設けられますが、3年という期間については、変化の早いインターネットの状況を考慮したものになっています。また立法者(国会議員)は「民間主導の取り組みに期待するところが大きい」と述べられています。このため、法の施行後3年経って、民間での青少年に対する取り組みが進んでいるかどうか、国としても状況を踏まえて見直しをする、ということが求められているものと理解しています。

参考資料:青少年インターネット環境整備法の概要(内閣府資料より引用)
参考資料:青少年インターネット環境整備法の概要(内閣府資料より引用)

―法律は浸透しているのでしょうか。

内藤氏 フィルタリングの提供は義務になっていますので、少なくとも義務を負う事業者には周知を徹底していきたいと思っています。また、この法律は、事業者はツールを提供して、最後は保護者が自らの判断でツールを使っていただく、という構成になっています。このため、保護者の方に対するフィルタリングの必要性や、家庭でのルール作りの必要性の啓発も重要です。このため、保護者の方に対する周知広報を行っていきたいと思っています。
 また、インターネットで情報発信する時には青少年の閲覧防止の努力義務があります。これは事業者さんに限られません。青少年でインターネットを利用している人は、内閣府の調査では携帯電話では小学生は約3割、中学生は約6割、高校生は殆どが、PCでは小学生でも6割と非常に高い割合となっています。そのため、インターネットで情報発信するときには青少年の目もある、ということをきちんと意識していただいて、適切な対応を取ってもらうように啓発活動を行っていきたいと思っています。

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