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公認会計士松澤大之
内部統制で変革すべき
は“個人の意識”
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増子則義 文部科学省生涯学習政策局参事官付情報政策室長に聞く
全国調査の結果から浮かぶ子供の携帯電話利用実態とは

文部科学省生涯学習政策局参事官付情報政策室長
増子 則義
全国調査の結果から浮かぶ子供の携帯電話利用実態とは

 急速に社会の情報化が進展する中で、携帯電話は爆発的な勢いで国内に普及し、子供にとっても必要不可欠なツールになりつつある。
 しかし、出会い系サイトなどの有害情報が含まれるサイトを通じて犯罪などのトラブルに巻き込まれるケースや、ネットいじめなどの事例も指摘されている。

 こうした“影”の部分への対応として情報モラルの育成が重要となる中、文部科学省は2008年、子供の実態を把握し今後の施策に活かそうと、全国の小中学校と高等学校などを対象にした「子どもの携帯電話等の利用に関する調査*1」(抽出調査)を実施し、2009年5月15日に結果を公表した。今回の調査結果について、調査を取りまとめた生涯学習政策局参事官(学習情報政策担当)付の増子則義情報政策室長にお話をうかがった。

子供の所有・利用の実態

―調査では小学生の約4分の1、中学生の半数弱、高校生のほとんどが携帯電話を持っているという状況が分かりましたが、どのような感想を持ちましたか。また、子供の利用頻度、意識についての結果の特徴と、それに対する印象を教えてください。

〈図表1〉1日の平均通話時間、平均メール送受信件数の分析結果
出典:文部科学省 「子どもの携帯電話等の利用に関する調査 調査結果の概要」P11
〈図表1〉1日の平均通話時間、平均メール送受信件数の分析結果
出典:文部科学省 「子どもの携帯電話等の利用に関する調査 調査結果の概要」P11(クリックすると拡大します)
インタビューに答える増子則義文科省情報政策室長
インタビューに答える増子則義文科省情報政策室長
増子氏 今回の調査によれば、携帯電話を小6の24.7%、中2の45.9%、高2の95.9%が所有しており、学年が上がるにつれて携帯電話の所有率は増加しています。特に高2のほとんどが持っているということは、高校生にとって携帯電話が日常生活にかなり密着しつつあることを示すものといえると思います。

 携帯電話の利用頻度別に子供をグループ化し、関連設問との集計・分析を行ったところ、頻度の高いグループほど、(1)インターネットを使えない機種・設定にしているか、フィルタリングを使っている割合が少ない、(2)家庭で特にルールを決めていないと答える割合が多い、(3)保護者が携帯電話を積極的に評価する割合が少ない、(4)「チェーンメールを送られた」などのトラブル経験がある――という結果がわかりました。

 このほか、携帯電話をよく使う子供に生活面での影響が見られる点が注目されます。例えば、中2の1日平均のメール送受信件数と普段の就寝時間の関係で説明しますと、午後11時までに就寝する割合は、携帯電話を持っていない場合は46.6%、1日30件未満の場合は42.8%です。しかし、30件以上の場合は25.3%になっています。

家庭でのルールと子供・保護者の意識

―携帯電話に対する保護者の意識、家庭内でのルール作りなどに関する調査結果の特徴はどのようなものでしょうか。

増子氏 家庭内で携帯電話に関するルールがあると、保護者が使い方に注意を払っている場合が多くなっています。
 例えば、携帯電話の危険性や注意点を子供に説明することについて、家庭内にルールがある小6の保護者のうち86.5%が「注意を払っている」と回答しているのですが、ルールがない小6の保護者の中で「注意を払っている」としたのは54.9%となっており、差が出ているのです。

 そして、保護者が注意を払っていると、その子供に利用マナーが身についている割合が多くなっています。具体的に申しますと、友達の住所や写真をインターネットの掲示板などに書き込むことについて尋ねたところ、利用している様子に気をつけている保護者の子供(小6)のうち90.8%が「してはいけない」と答えましたが、その他の保護者の子供(同)の中では75.9%という結果になっています。

〈図表2〉携帯電話についての家庭でのルールに関する分析結果
出典:調査結果の概要P27
〈図表2〉携帯電話についての家庭でのルールに関する分析結果
出典:調査結果の概要P27(クリックすると拡大します)
 子供については、家庭内にルールのある方が、利用マナーを身につけている割合が多くなっています。自分に届いたチェーンメールを転送することを「してはいけない」と回答した中2の比率を見ると、家庭内にルールがある生徒では72.1%いましたが、ルールがない生徒については58.3%でした。

 一方、子供と保護者で意識にギャップが見られる回答もあります。高2になると、情報発信手段としてもインターネットを積極的に活用しているのですが、保護者はそれをあまり認識していない傾向にあります。例えば、自分のプロフ*2を公開したことがある高2は44.3%ですが、自分の子供がプロフを公開したことがあると思うと答えた保護者は16.5%にとどまっています。

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