SNSの可能性と危険性
~大きく変わった人々のコミュニケーション~
西田公昭 立正大学心理学部教授
2012/5/24  1/3ページ

mixi 、Twitter 、Facebook…。あっという間に浸透したSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)はいまや人々のコミュニケーションになくてはならない存在になっている。オセロ中島知子さんのマインドコントロール報道でも注目を集めた立正大学心理学部教授の西田公昭氏に、SNSの正と負の側面について、話を伺った。

SNSの変遷

―国産のmixiやGree、海外にもTwitterやFacebookなど現在世界中には様々なSNSがありますが、日本でSNSが広く普及したのはどのような理由からなのでしょうか?

西田氏: 日本で最初にmixiが浸透したときを思い出していただくとわかると思います。匿名のコミュニケーションというよりは、友人知人で離ればなれになった人と再会できる期待が大きかったのではないでしょうか。「コミュニティ」などのmixiの機能を利用して新しい友人関係を築くことも当然魅力的ですが、これまでの友人関係を維持できる――それがmixiというSNSが広まったことの大きな理由です。

立正大学心理学部教授 西田公昭氏
立正大学心理学部教授 西田公昭氏

 mixiはブログと違っていて、友人からの紹介が必要になります。つまり、バーチャル上で人間関係を取捨選択できるようになる。例えばブログですと、「荒らし」に代表されるような、不快な書きこみを行う人がいる。しかしmixiであれば、ある程度閉鎖的な環境を築くことができます。そのため、利用者はブログと比べればかなり安心感をもつことができる。だから一気に広まったのだと思います。


 また「コミュニティ」というのはmixiのもう一つの特徴です。ネット上でいわゆる「サークル活動」「近所のよしみ」で集まるようなものです。自分たちと同じ趣味の人同士がSNSで集まれば議論を交わしやすい。学問的なものもあれば趣味的なものもあるし、ニュースや社会情報的なものもありますからね。


―そして次に台頭してきたのがTwitterですね。

西田氏:はい。フォロワーの数を増やして自分のつぶやきを、多くの人に発信する…。Twitterにはそのような使い方をしている人が多く存在します。Twitterはご存じの通り、リツイートされて「拡散する」ことが特徴です。そこが面白いところでもあるわけです。そもそもリアルの世界では特に知名度のあるわけではない個人が意見を言ったところで誰も耳を傾けません。しかしそれが、Twitterでつぶやくことで多くの人に届き、大きな影響を与える可能性があるわけです。


 また、いわゆる有名人をフォローすることで「その人とつながったような感覚」になるのもTwitterの醍醐味です。米国の大統領選でオバマがTwitterを駆使したことは有名ですし、鳩山元総理も始めた当時話題になりました。それはTwitterでフォローすることによって「オバマ大統領や鳩山氏とつながっていたい」という願望を満たしたり、ネット上で会話ができる可能性もある、とフォロワーの心理をうまく突いているのです。


実名の危険性

―そして今はFacebookが浸透してきています。

西田氏:mixiは匿名であるのに対し、Facebookは実名が基本です。「SNSをよりビジネスで活用しよう」という意図で使われるようになって普及していきました。匿名が実名になることで、人と人とのコミュニケーションがよりダイレクトに行われるようになったわけです。

>>SNSは便利である反面、悪用されるケースも

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