月島食道楽:喫茶パーラー ふるさと

ハンバーガー\800。トッピングも追加注文できる。ランチならばドリンク、シェフオリジナルのデザート付きで\1000

第13回「喫茶パーラー ふるさと」

味わい深い喫茶と、ハンバーガーが織りなすハーモニー
2012/2/27

 もんじゃストリートを2番街まで進む。ぴかぴかと電飾がまぶしい通りに、つつましやかに掲げられた看板に気がつく。ふとすれば見過ごしてしまいそうな、細い路地に入って3、4軒目。「喫茶パーラー ふるさと」と書かれた扉を押しあけると「カランカラン」と、不思議と懐かしい音がする。15席程の店内を照らす淡い照明が醸し出すノスタルジックは、作り物では決して出せない"古き良き"という言葉を想起させた。


 月島でもんじゃ以外のお店を紹介する「月島食道楽」。1周年を超えてもまだまだ紹介し足りない。今回は47年の歴史が優しく刻まれた「喫茶パーラー ふるさと」を紹介する。


 アクリル製の扉をあけると勧められた席につく。ふと見た壁に掛けられたメニューには、ほかの喫茶店ではあまり見られない料理が書かれていた。


 「ハンバーガー」


 聞けば2年前から、五反田の高級ハンバーガー店「フランクリン・アベニュー」で10年間、修業をしていたシェフが始めたらしい。注文をすると、少し時間をおいて大きめのハンバーガーが出てきた。具材はピクルス、レタス、オニオン、トマト、パテ。味付けは塩・コショウと、野菜についたほのかなタルタルソースだけと、実にシンプル。そのバランスが、肉の存在感と香りをほどよく主張させる。


 ところどころに配置されたアメリカンテイストな小物が目につき、ハンバーガーとの密かなコラボに思わずニヤリとなる。一緒に出てきたコーヒーは渋すぎず、苦すぎず、飲みやすかった。

1966年から変えていないレイアウトはどこか懐かしい
1966年から変えていないレイアウトはどこか懐かしい

 「喫茶パーラー ふるさと」は47年前にオープン以来、レイアウトを大きく変えず、喫茶店を続けている。肩ひじ張らない、ゆったりとした空気感が地元からも愛されているのか、馴染みやファミリーの客も多い。


 「でも、いまはチェーン店が人気で、こういう喫茶店なくなっているでしょ?」


 柔和な2代目オーナーの金子輝雄さんは、少しさみしそうに話す。確かにチェーンの便利さと安さは魅力的だ。どこにでもあり、どこでも同じものを手に入れられる快適さがある。しかし、こちらは唯一無二。お金をいくら支払っても同じ店は二つとない不便さがあり、だからこそそれを上回る「味わい」が同居している。“古き良き”頃に思いをはせながら、ふらりと立ち寄ってみてほしい。

(井上宇紀)
喫茶パーラー ふるさと

喫茶パーラー ふるさと
住所:東京都中央区月島1-23-10
電話番号:03-3531-6916
営業時間:火~土9:00~17:00
       日・祝9:00~16:00
定休日:月