月月島食道楽:肉のたかさご

やき豚重(左:¥580)、やき豚めし(右:¥600)は名物のやき豚入り。やき豚めしにのみ入っているコロっとした肉はスライスとはまた違った味わいがある

第12回「肉のたかさご」

進化するタレをつけたやき豚をたんと召し上がれ
2012/2/9

 「次は焼豚、ローストビーフの肉のたかさご~」大江戸線に乗って月島駅が近づくと流れるアナウンスを聞いた方もいらっしゃるかもしれない。月島・佃にある「もんじゃ」以外のおいしいお店を紹介する「月島食道楽」第12回は「肉のたかさご」。名物の焼豚やローストビーフほか、米沢牛の精肉も取り扱う、肉の専門店だ。


 創業は昭和22年。御用聞きでお得意さんに「うり」を聞かれた際、とっさに手元にあった「焼豚」と答えたのが名物「やき豚」のはじまりだったという。以来、旅行に行くたびに各地の醤油を味見してはやき豚に合うものを購入し、注ぎ足してきた「進化する秘伝のタレ」で味付けされている焼豚は、ほかのお店では絶対に出せない深い味わいをしている。


 曰く「『はぐくんでいる』という言葉が一番よく似合う」このやき豚。手間暇がかかっており、やや高価な品ではあるが、お昼にはこのやき豚を乗せた「やき豚弁当」をリーズナブルな値段で食べることができる。採算を度外視したこの弁当は、少し買いに行くのが遅れれば売り切れ必至の人気商品。「十両の客より一文の客を大切にせよ」という創業者の精神を体現しての品らしい。

特約店になっているため店のウィンドウには米沢牛がこれでもかと並ぶ
特約店になっているため店のウィンドウには米沢牛がこれでもかと並ぶ

 やき豚と並んで「うり」となっているのが「米沢牛」。産地・米沢のお墨付きで、精肉店としては珍しく、米沢牛の特約店となっているため、地方からも多くのお客が来店するという。そして、それ以上に珍しいのが牛肉のラインナップ。店内を見回しても「米沢牛」しか置いていないのだ。


 一時、安さから輸入牛がもてはやされた時代もあった。しかし「本当においしいと思えるものをお客様に提供したい」という思いから輸入牛は創業以来取り扱っておらず、それが産地・米沢からの信頼にも繋がっている。そして選びぬかれた最高級の米沢牛を使った「ローストビーフ」は、有名人や芸能人がわざわざ買いにやってくるほど。お祝い事など、特別な日にはぴったりの逸品だ。


 「おいしさの喜びをちりばめること」をモットーとし、そのとき一番おいしいと思う方法を取り入れながら、急激ではなく、しかし一歩一歩確実に進化をし続けている。是非とも月島まで足を運んで“進化し続ける”焼豚を堪能してほしい。

(山下雄太郎)
肉のたかさご

肉のたかさご
住所:東京都中央区佃2-21-6
電話番号:03-3531-4529
営業時間:月・水~土10:00~19:00
       火10:00~18:30
定休日:日・祝
URL:http://www.yakibuta.jp/