フィルタリング大解剖!
スマートフォン時代に必要なフィルタリングとは?
2012/6/25  1/3ページ

出会い系サイトなど有害情報が含まれるサイトへのアクセスを防ぐフィルタリング。携帯電話からスマートフォン(スマホ)へ移行したことで一層注目を浴びるフィルタリングの将来を探った。

これまでのフィルタリングの動き


 まずはこれまでのフィルタリングに関する政府の動きを確認したい。フィルタリングサービスを本格的に政府が検討するようになったのは2007年12月。総務大臣要請で青少年が利用する携帯電話には、フィルタリングの利用を原則とする方針が打ち出された。一方、同年11月から総務省にて行われた有識者による「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会中間とりまとめ」(以下:中間とりまとめ)で、フィルタリングの一斉適用に関する問題点とその対策について検討が行われた。


 当時提供されていた携帯電話に対するフィルタリングは、18歳未満の青少年に対して一律に画一的であり、制限範囲が広範であるとともに、個々の事情に応じた制限の解除ができないという問題が提議された。この問題の改善として、民間において第三者機関を設置し、青少年の利用を前提に管理体制を整備しているサイトを申請に基づいて審査・認定することで、アクセス制限の対象から除外することを提言した。また、携帯電話事業者には利用者の選択肢に合わせて個別にカスタマイズできるように要望された。この「中間とりまとめ」に基づき、2008年4月に総務大臣は再度要請を行っている。

青少年インターネット環境整備法の概要 出典:EMA資料
(クリックすると拡大します)
青少年インターネット環境整備法の概要 出典:EMA資料
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 さらに2008年6月には「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(以下:青少年インターネット環境整備法:2009年4月施行)」が成立し、インターネット上の青少年保護と情報リテラシーの向上への取り組みが官民によって開始され、その中でフィルタリングの普及も進められた。


 特に、違法情報と異なり、青少年の「表現の自由」や「通信の秘密」(通信する権利)を確保するため、国は有害情報の判断やフィルタリングの水準に干渉することはせず、あくまで民間が主体となって取り組み、国はそれを支援することとなった。


モバイルコンテンツ審査・運用機構(EMA)の取り組み

 

 こうして前述の中間とりまとめで提言された第三者機関の一つとして青少年の利用に配慮した運用管理体制の評価基準を策定し、認定を行うことを目的とするモバイルコンテンツ審査・運用機構(EMA)が設立された。


 ところで、フィルタリングといっても携帯電話の場合は、主に2つの方式があるのをご存じだろうか? 1つはホワイトリスト方式。これは携帯電話会社がアクセス可能なサイトを定めてそれ以外へのアクセスを一律に制限する方式で、これを携帯電話事業者提供リスト方式ともいう。そしてもう1つがブラックリスト方式。アクセス禁止するサイトを決め、それ以外へのアクセスをすべて許可する方式だ。


 現在、EMAの認定が反映されているフィルタリングは「ブラックリスト方式」。フィルタリングリスト提供会社がネット上のサイトをカテゴリ分類し「出会い」や「ギャンブル」など、特定のカテゴリに属するサイトへのアクセスを、カテゴリごと制限するといったもので特定分類アクセス制限方式ともいう。

EMAが関係するフィルタリング(ブラックリスト方式)の構図
出典:EMA資料(クリックすると拡大します)
EMAが関係するフィルタリング(ブラックリスト方式)の構図 出典:EMA資料(クリックすると拡大します)

 EMA事務局長の吉岡良平氏によると、民間の自主的・主体的な取り組みとして、フィルタリングは、役割分担がされているとしている。


 まず、フィルタリングリスト提供会社がネットを探索し、コンテンツをカテゴリに分類したURLリストを作成する。フィルタリング提供会社は携帯サイトにも対応したWEBの自動収集システムを用いたり、スパムメールや各サイトのリンクをたどるなどしながらURLを収集していく。それを最終的には目視によって、カテゴリを確認してリストを作成する。


 EMAではアクセス制限すべきと思われるカテゴリについて検討を行うとともに、たとえアクセス制限対象のカテゴリに分類するサイトであっても、青少年の利用に配慮した運用管理体制を維持しているものについては、申請に基づき審査、認定やその後の運用監視を行いアクセス制限対象外とするためのリストを作成している。NTTドコモ、auなどの通信事業者はフィルタリングリスト提供会社が作成されたアクセス制限対象リストとEMAにより認定されたアクセス制限対象外とするサイトのリストにより、フィルタリングサービスを提供するといった仕組みだ。

>>フィルタリングの注意点やスマホへの対応とは?