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2014/12/22  1/2ページ

電磁波の危険性と見解あれこれ(1)

電磁波はいまの我々の生活には欠かせない存在だ。遠く離れたところに、仲介するケーブルなどの施設を設置することなく、情報を伝達できる手段。インフラを設置する必要がないところから軍事における利用も活発に行われてきた。

 こうした電磁波はエネルギーを持っている。身近な例で言うと、かざして利用するICカードは、かざす機器からカード側が電磁波を経由してエネルギーを受け取り、そのエネルギーを利用して読み取りを可能にしている。遠距離での充電技術も研究されている。

 ではそのエネルギーをやり取りしている経路である空間に立っている我々にはどのような影響があるのだろうか? 電磁波の影響については数多に語られている。実際のところはどうなのか複数の資料から調べてみた。

発がんリスクを掲載したWHOの資料


 こうしたエネルギーを受けたときに何が起こるのか。世界保健機構(WHO)の発がん性研究機関IARCは、電磁界(Radiofrequency Electromagnetic Fields)を受けるリスクを2Bに設定した。発がん性のリスクはグループ1、グループ2A、グループ2B、グループ3、グループ4の5段階にわかれており、2Bは上から3番目のPossibly carcinogenic to humansつまり「人間にとって、あるいは発がんする可能性がある」とされている。

駅に設置されている無線基地局
駅に設置されている無線基地局

 これをもって「発がんリスクがある」と騒ぐ流れもあったが、日本語訳の問題もあるかもしれない。Possiblyは、Probablyなどに比べると、どちらかという公算が少ない場合「ひょっとして」「もしかしたら」というニュアンスが近い。ちなみに同じグループ2Bに分類されているものにはコーヒーや漬物、わらびなどもある。


 とは言え、逆に言えば「健康リスクがない」とも言えない状態。スマートフォンなどに限らず、例えばオール電化ということで一時流行ったIHクッキングヒーターは、かなり強力な電磁波を出している。IHに限った話ではなく、パソコンモニターや電気カーペット、電子レンジなど様々な電化製品からは電磁波が出ている。こうした製品を安心して使うことはできないだろうか。


 電磁波の影響については、かなり昔より研究が行われているが、確定的な結果が出ていないというのが本当のところだろうか。完全に証拠に信用が置けないレベル(実験の方法に問題があったり、サンプル採取に偏りがあったりなど…)での研究ではある程度の可能性が指摘されている。それが電磁波による健康リスク研究の走りとなったのが、1980年代後半に発表された「磁場の強いところで小児白血病のリスクは約2倍になる」という調査結果だ。


 電磁波があふれている世界に生きている人々にとってこれはかなりの衝撃だった。以降、電波の発がん性に関しては研究が進められている。IARCが過去に何回かにわけて行った報告では有為な危険性は見受けられないという見解を示しているが、2011年になると初めてグループ2Bに位置付けられた。それが新聞や週刊誌などで取り上げられて一躍有名となったわけだ。


電波が持つエネルギーは?


 では、実際に電波はどの程度のエネルギーを持っているのだろうか? 最も身近に使われているだろう、無線LANやスマートフォンの電波のエネルギーはどの程度なのだろうか? 電波のエネルギーは定数×周波数で割り出される。周波数が高ければ高いほど高エネルギーというわけだ。このあたりの関係をはっきりさせるため、まずは電磁波のスペクトルについて話そう。

>>どこまで危険か? 容認するのか?

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