Bookshelf ~今月の本

『体制維新――大阪都』

体制維新――大阪都_著:橋下徹、堺屋太一

著:橋下徹、堺屋太一
文春新書

\893/264ページ
発売日:2011年10月31日

2012/3/12

明治以来の体制維新――大阪都は実現するか?


 自らが掲げる大阪都構想実現のため、最大の“抵抗勢力”である大阪市役所を制するべく大阪府知事から大阪市長へ転身した橋下徹氏。その主張の骨格は本書のタイトルの通り「体制維新」にある。

 二重行政の弊害が指摘されて久しい大阪府と大阪市。“ハコモノ”は府と市の施設が重複し、府民一人あたりの借金は全国最高レベルだ。広域行政と地域行政の棲み分けも不十分で、国内第二の都市圏でありながら全国的かつ国際的な視点からのかじ取りも出来ずにいるという。

 そこで橋下氏は東京都にならい、今の大阪市を8つ程度の特別区に再編。府は「大阪都」として広域行政を担い、特別区とその他の市町村で地域行政を行うべきと唱える。「明治維新以来の行政システムのままでは古い」として、その刷新を大阪からやってみようというのだ。

 本書ではそうした構想はもちろん、橋下氏の政治手法やそれを用いる真意までつまびらかにされている。氏のブレーンである作家・堺屋太一氏との対談も収録されている。大阪への縁のあるなしにかかわらず、注目しておきたい。

(薬師寺敏雄)