Bookshelf ~今月の本

『数学ガール

数学ガール_著:結城浩

著:結城浩
ソフトバンククリエイティブ

\1,890/344ページ
発売日:2007年6月27日

2012/1/5

数学が題材の甘酸っぱい青春ドラマ


 プログラマーでライターの結城浩氏による数学を題材にした小説で、本書はそのシリーズ第一弾。主人公の「僕」と2人の“数学ガール”が、様々な問題を解きながら数学の世界を旅する。

 物語は高校入学直後、主人公の「僕」と同じクラスの少女・ミルカの出会いから始まる。あいさつ代わりに「僕」に数列を唱え、「僕」がその数列の続きで返答するという一風変わったシーンだ。1年後には1つ下の少女・テトラも加わる。

 3人が挑戦するのはフィボナッチ数列、相加相乗平均、微分、テイラー展開、バーゼル問題などで、高校数学の延長からやや難しいものまである。1人で数式をいじるのが好きな「僕」、数学センス抜群のミルカ、数学は得意ではないが向上心あふれるテトラ。それぞれの目線で式が展開されていく。高校数学初歩程度の知識は求められるものの、本書を読み進めるのに数学が得意である必要はない。

 数学の問題を解く部分が多く、一般向け数学書とも取れる本書だが、2人と「僕」の微妙な距離感も面白い。時にはやきもちを焼き、時には嫉妬もする、高校生らしいさわやかで甘酸っぱい青春ドラマにも注目だ。

(薬師寺敏雄)