Bookshelf ~今月の本

『人事部は見ている』

人事部は見ている_著:楠木新

著:楠木新
日本経済新聞出版社

\893/207ページ
発売日:2011年6月16日

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2011/10/13

人事部への見方が変わる!?人事部の本当の姿とは?


 本書では、著者本人の経験や、人事担当者のアンケートをもとに、「人事部」および人事部の仕事、そして“理想の人事部像”について語られている。

 人事部を通して発せられる企業からの評価は、反論があっても変更させることができない。そのうえ、人事は運や縁にも左右されるし、評価基準も突然変更されることもある。そうしたわだかまりのせいか、一般のビジネスマンの人事部に対するイメージは、「やや杓子定規的な対応で、温かさを感じない」「閉鎖的・保守的である」「人材を見る目がない」「経営陣の言いなりである」などマイナスなものが多いという。

 しかし著者が関わってきた「実際の人事部」は世間一般が描くイメージとおおよそかけ離れたものであり、本書の中に描かれた人事部社員たちの姿には驚いた。また、彼らは誰とでも気軽にコミュニケーションがとれ、人事部が社内の中核部門と位置付けられている場合や、エリートコースとされている企業もある。

 「理想の人事部」の社員について、著者は「企画立案・推進力」「情報収集力」「情報発信力」といった能力が必要だとしている。そして、こうした能力が社員の配置転換や、他部署との調整、社員の人事評価など多岐にわたる業務に真価を発揮するという。「企業のキーマンは人事部」と著者が言って憚らないことからもわかるように、一読すればマイナスイメージを持ちがちな人事部に対する考え方が変わるだろう。

(山下雄太郎)