Bookshelf ~今月の本

『これだけは知っておきたい個人情報保護』

これだけは知っておきたい個人情報保護_著:岡村久道、鈴木正朝

著:岡村久道 鈴木正朝
日本経済新聞出版社

\525/80ページ
発売日:2005年1月5日

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2011/8/4

社会人なら知っておきたい「個人情報」に関する基礎知識


 2003年に成立、05年に施行された「個人情報保護法」。個人を特定できる情報つまり「個人情報」を保持する「個人情報取り扱い業者」に対して、情報の取り扱いに関する罰則が定められている。本法が施行されてはや6年。その言葉自体は広まったが、細かい知識となるとまだまだの感が強い。そして、つい先日もプレイステーションのネットワークで1億人規模の情報流出事件が起きるなど、個人情報の漏洩は「現代の問題」として、依然存在している。

 この本は、個人情報保護法に関する基礎的な知識を、手軽に知ることができるいわゆる入門書だ。図表で示したりケーススタディを入れたりするなど、実にわかりやすい構成になっているため、初心者でも理解できる。さらには対策を施しておくためのポイントまで記されており「情報を扱う専門職」以外の一般社員ならば、これ一冊で十分なレベルの知識が書かれている。

 著者は、情報関係で法律を切り口にした講演を数多く行っている弁護士・岡村久道氏と、情報法学の権威である堀部雅男氏に師事した法学者・鈴木正朝氏の2人。個人情報保護関係では名前の知られた2人が書き、内容も充実している割に、80ページ、525円とお手軽で携帯しやすいのもポイントだ。

 個人情報保護は情報を取り扱う一部の部署だけの問題ではない。メールのやり取りや、名刺など、ビジネスシーンのあらゆるところに個人情報は転がっている。あのような大規模の流出事件が起きた現在、他人ごとではなく、全ての社会人が心に留めておくべきこととして、今一度お勧めしておきたい。

(井上宇紀)