500万記事(Justy Finder)の解析でみえた報道の深層

じわじわ浸透 地ビール名称「クラフト」へ(1)

2015/2/17  1/2ページ

 ビールの国内消費量が冷え込んでいます。2013年度の総消費量は世界7位の549万キロリットル(kL)で、9年連続で減少となりました。主な理由は「最需要期である夏場の天候不順や嗜好の多様化などの影響」(「キリンビール大学」レポート 2013年)といわれています。そんななか明るい話題もあります。地域に根差した地ビールの登場です。1994年の酒税法の一部改正で製造免許に係る最低製造数量基準が2000kLから60kLに引き下げられたことで、全国各地で地ビール製造者が急増しました。しかし未熟な醸造技術や高価格帯などがネックとなり徐々に衰退していきました。しかし2004年を境に、再び売り上げを伸ばし始めています。技術の低い業者が淘汰され、消費者の高質製品への意識が変化し始めてきたからといわれています。


「地ビール」の名前はまだ強い

 近年では、ビール職人によって丁寧に作られた地ビールをクラフト(手工芸品)に例えて「クラフトビール」と呼ぶ傾向があり、マスコミも積極的に取り上げ始めています。この「クラフトビール」という言葉、現時点ではどこまで浸透しているのでしょうか。Justy Finderを使い、2013年1月から2014年12月の「地ビール」「クラフトビール」の記事数を比較してみました。

「クラフトビール」と「地ビール」の比較

 地ビールは1024本、クラフトビールは282本と大きく差がつきました。ただ、本数が乱高下する地ビールと異なり、クラフトビールは13年5月から徐々に伸びています。特に14年後半の伸びは驚異的で、12月には地ビールを追い抜く結果となりました。前年同月には2倍以上の差が開いていたので、大きな飛躍といえるでしょう。


 14年9月の底上げ要因となったのは、7月にクラフトビール事業への参入を表明したキリンビールが、クラフト大手のヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町、以下ヤッホー社)との資本提携を発表したことです。キリンビールがヤッホー社に出資し、クラフトビール事業を推進していくことが明らかになりました。ヤッホー社の井手直行社長はその経緯について、10月16日付の業界紙・通販新聞で「成長スピードに合わせて製造設備の投資が必要になっていた。(中略)キリンビールとは、製造委託と、共同で資材調達や配送を行っていく予定だ」と語っています。

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